来年3月開隊まで半年

来年3月開隊まで半年

陸自部隊配備に向け官舎など関連施設建設が進められている(写真は奄美市名瀬大熊町の官舎建設現場)

奄美大島2地区で官舎建設進む
陸自基地建設計画

 奄美大島内の2地区(奄美市名瀬大熊、瀬戸内町節子)で進められている、陸上自衛隊警備部隊配備計画に伴う駐屯地建設が佳境を迎えている。来年3月の開隊予定まであと半年。基地本体と合わせ、各地区市街地内での官舎や関連施設整備は着々と進む。九州防衛局は奄美新聞の取材に対し、「島内の基地造成、建設計画はスケジュール通りに進行中。開隊時期の変更はいまのところ変わりない」との見解を示した。

 防衛省は、近隣諸国から島しょ部への攻撃、弾道ミサイルの対応など周辺域の安全確保を盛り込んだ「島しょ防衛計画」を進め、同島内の駐屯地建設は南西地域の防衛態勢強化と位置づけている。

 2018年度防衛費の当初予算で、奄美大島内の基地建設費で約156億円(前年度比約241億円減)を計上。建設工事は17年度後半から本格化しており、宿舎など基地外の関連施設建設も同時進行している。

 九州防衛局によると、大熊地区の奄美駐屯地(仮称)は昨年10月下旬から隊庁舎、宿舎などの建設を実施。また節子地区の瀬戸内分屯地(仮称)は昨年12月中旬から同じく隊庁舎、宿舎などの建設を実施。進ちょくについて同局報道官は「建物ごとに進ちょく率は異なるが今年度完成に向け、順調に進んでいる」とコメントした。

 建設計画によると、大熊地区関連は名瀬市街地内に駐屯地外の家族用官舎を建設。110戸を予定。すでに工事着手した同市名瀬佐大熊町(24戸)、同大熊町(47戸)では建物の外装工事が進行中。

 同浜里町(27戸)は、国土交通省大阪航空局レーダー施設などがあった公有地4100平方㍍のうち、約3千平方㍍を分筆し管理を移した。本格的な工事は未着手だが、すでにボーリング調査を実施しており、今年度末の完成を目指す見通し。なお民間から12戸程度を借り受ける予定もあるが、詳細は明らかにしていない。

 そのほか、同市の朝日地区簡易水道区域拡張事業のうち陸上自衛隊駐屯地水道整備も18年度で計画。同大熊町内の中継施設から同駐屯地まで約2・5㌔、駐屯地内0・7㌔の送水整備を行い、給水計画は1日当たり約200㌧を見込んでいる。

 節子地区関連では、同町阿木名に5階建ての2棟(計65棟)を建設中。隊員家族用の官舎で、奄美市と同様18年度中の完成だ。

 島内配備計画は、奄美駐屯地に普通科部隊を中心とした警備部隊230人、中距離地対空誘導ミサイル(中SAM)運用部隊60人など、合わせて約350人が常駐。瀬戸内分屯地では同警備部隊130人、地対艦誘導ミサイル(SSM)運用部隊60人など、合わせて約210人が常駐する。