農業被害、県全体で7億円超

強風により倒伏するなどの被害が発生したサトウキビ(22日午前9時ごろ、奄美市笠利町)

台風19号 住用川で護岸決壊も確認

 県危機管理防災課は27日、台風19号による被害の取りまとめを更新・発表した。発表によると同日午後3時現在、県全体の農業被害額が7億1592万円に上ることが確認されている。このほか河川や公共土木施設の被害なども新たに確認されている。

 この日の発表では農業被害(県全体)に関しての被害額も算出された。農作物被害7405・6㌶(5億3219万円)、農業施設被害213件(7072万円)、耕地関係被害27カ所(1億1300万円)が確認されている。

 それぞれの内訳をみると、農作物の被害面積(被害額)は、サトウキビを含む工芸作物(熊毛、大島)が5361・5㌶(2億7865万円)、果樹(北薩、熊毛、大島)が23・1㌶(137万円)、果樹の樹体(熊毛、大島)が0・3㌶(262万円)、ゴマなどを含むその他(熊毛、大島)が157㌶(1億3598万円)など。農業施設では、園芸関係(鹿児島、大隅、大島)が185件(2432万円)、畜産関係が28件(4640万円)だった。

 耕地関係の被害が確認されたのは大島地区のみで、農地が12件(1300万円)、農業用施設が15件(1千万円)。県農政課は「今後も台風が想定されるため、事前・事後の対策に注意してほしい」と呼び掛けている。

 公共土木施設への被害も新たに判明しつつある。住用川(奄美市住用町神屋地内)では護岸決壊があり、被害報告額は3千万円。県道名瀬―瀬戸内線(大和村大金久地内)の崩土の被害報告額は調査中。このほか、市町村工事の道路でも奄美市と瀬戸内町で1件ずつの被害が確認されている。

 住家被害は計295棟となった。内訳は一部損壊292棟、床下浸水3棟。