奄美から初のユースエール認定

採用・育成で「高校新卒者募集」を案内している、うみかぜ総合法務事務所のホームページ

 

若者の採用・育成に積極的
島外から司法書士採用、働きながら学ぶ環境も
徳之島・うみかぜ総合法務事務所

 

 鹿児島労働局は29日、徳之島町にある、うみかぜ総合法務事務所(柏村考兵代表)=司法書士事務所=を同日付で「ユースエール認定企業」として認定したと発表した。司法書士事務所のユースエール認定は全国初で、奄美から初の認定。若者の採用・育成に積極的で、島外から司法書士を採用し移住を実現しているほか、働きながら法律全般を学べる環境も創出している。

 採用・育成に積極的と同時に、若者の雇用管理状況などが優良な中小企業を、若者雇用促進法に基づき厚生労働大臣が認定している制度。認定された企業は、労働局・ハローワーク(職安)などで重点的にPRすることで人材の円滑な採用を支援し、新卒者や若者とのマッチング向上が図られている。ただし認定を受けるには、有給休暇の取得実績、残業時間、育児休業の取得実績など多くの条件に適合しなければならない。

 今回の認定で鹿児島県内のユースエール認定企業数は16社となり、九州・沖縄で最多という。これまで鹿県内では本土の企業のみが認定を受けており、離島で初となる。

 うみかぜ総合法務事務所が徳之島に開業したのは2009年。当初は司法書士と行政書士を併設したが、高齢などにより島内で司法書士事務所を閉鎖する動きが出たことから司法書士事務所に一本化。柏村代表は司法書士だが、配偶者である柏村満智代さんが社会保険労務士・行政書士であり、幅広い法律相談や登記・相続手続きなどに対応している。

 法律に関する手続きを行う専門家として地元出身者の育成を目指すだけでなく、島外から徳之島への移住を働きかけての若い専門家の採用のほか、事務所で働きながら法律を学ぶ高校新卒者の採用にも取り組んでいる。現在のところ高知県出身で東京の事務所で就労していた司法書士を1人採用、2人体制で司法書士業務にあたっている。また茨城県の県立高校を新卒した女性1人を今年4月に採用、資格取得へ国家試験の勉強をしながら働いているが、事務所での就労が実務経験につながっている。

 同事務所の柏村満智代さんは「高校新卒者の採用へ奄美群島内の高校に求人票を提出し募集しているものの、まだ採用につながっていない。法律に関する業務は、地元に引き継ぐものと考えている。今後は法律全般を学ぶことができる専用の施設を設け、育成にさらに力を入れていきたい」と語った。