徳之島町誌 編纂へ第1回審議会

徳之島町誌 編纂へ第1回審議会

徳之島町誌編纂室の看板を設置した高岡町長や同編纂審議会メンバー=29日、町生涯学習センター

 
通史・自然・地域編・簡易版で構成
編集期間は5年間

 

 【徳之島】徳之島町誌編纂(さん)審議会(町田進会長ら8委員)の第1回審議会が29日、同町生涯学習センターであった。同編纂室の看板を設置するとともに、高岡秀規町長が学識経験者らに審議委員委嘱状を交付。町誌(史)編纂の基本方針や最終の「簡易版」刊行まで5年間のスケジュール、経費などについて協議した。

 同町教育委員会は今年4月に同編纂室を設置。同室によると、現町誌は1970(昭和45)年3月に刊行。この間には南西諸島での考古学・文献史学上の新発見が相次ぎ新しい研究資料が蓄積された。そのため「歴史編」は最新情報を全面的に見直し、新たな歴史像を分りやすい構成で追加。「地域編」も各集落での聞き取り調査で現状を記録。次世代へ伝えていく。

 基本方針によると編纂期間は2023年3月までの5年間。現「徳之島町誌」と区別するため、名称は「徳之島町史」とし、①通史編②歴史編③自然編④地域編(北部、南部の2冊刊行)。ほかに「徳之島町史―簡易版」として小中学生対象の「徳之島町の歴史(仮称)」も刊行する。5年間の予算総額2667万4千円(編纂室人件費除く)を見込む。

 初審議会で高岡町長は「史実や情報を子や孫にしっかりと伝える必要が。町誌のみならず、伝統芸能や方言を劣化しないデジタル画像でも伝えていけたらと思う」。町田会長(町文化協会長)も「島の基層文化は祖霊信仰と稲作儀礼だが昭和30年ごろに著しく変化。民俗調査も昭和一ケタ生まれの人々が元気なうちにすべき。町民に親しまれ、愛読され、財産となる町誌の刊行に協力を」と要請した。

 協議では、編集関係者の人選に関しては「薩摩藩の圧政など個人的史観のみにとらわれない均等性・中立性のある人材を」。また、明治・大正期の「学士村」の時代に各界で〝全日本級〟の活躍した先人らの紹介コーナーの検討を求める意見もあった。