救急医療講演会

救急医療講演会

大島地区消防組合隊員による救命措置などの寸劇も大きく会場を沸かせた

命つなぐ大切さ身近に実感
寸劇交えパネルディスカッションも
「災害は明日・明後日くる覚悟で」

大島郡医師会(奄美市共催)は7日、多様な救急現場の現状を学ぶ「2018年度救急医療講演会」を奄美市名瀬の奄美文化センターで行った。この日は、「防いで攻めてつなぐ救急医療」と題し、講演やディスカッションを実施。会場に詰め掛けた約120人の聴衆は、臓器移植やライフセーバー、ドクターヘリなど、多様な職種の話に耳を傾け、命をつなぐ救急医療の大切さを身近に感じた。

同会は、講演などを通してさまざま角度から救急医療の現状を知り、理解を深めようと実施。前半は二つの講演、後半は寸劇を交えたパネルディスカッションで多様な現場への理解を深めた。

向井奉文会長は開演を前にあいさつを行い、「災害は忘れた頃ではなく、明日・明後日にくる覚悟で向えたい」と救急救命に携わる人間としての決意を語り、講演に向けては「いろんな立場を知って、皆さんも(救命のための)行動をしていただけるとありがたい」と聴取への参加を訴えかけた。

前半は、県唯一の臓器移植コーディネーター・山口圭子さんが「臓器移植コーディネーターから見た鹿児島県臓器提供の現状」をテーマに幕開け。県内ドナーの現状や臓器提供について思考を巡らせた。医療法人碧山会記念クリニック奄美・佐野常男所長は「島の水難救助システムについて」をテーマに、奄美初のライフセーバー配備やその役割、他機関との理想的な連携システムを提案するなど、海辺の安全に向けて情熱を示した。

後半は、会場を大きく沸かせた大島地区消防組合隊員による寸劇を挟みながら、「知っているようで知らないドクターヘリの役割」をテーマに、住民、消防通信指令員、看護師、医師ら4人のパネリストがディスカッション。それぞれの立場からドクターヘリの運用基準や苦労話が語られるなど、1分1秒を争う救命への尽力や真摯な姿勢を実感した。