北海道産、入荷少なく上昇

ジャガイモなど北海道産野菜の入荷不足で市場価格が上昇している

地震で流通影響
地元市場取扱い野菜

 農林水産業が盛んな北海道の地震は、食生活に影響が及んでいる。奄美市にある地元市場・名瀬中央青果㈱(森山直樹社長)では、この時期に取り扱っている野菜の主流は北海道産。鹿児島や宮崎の市場と取引がある仲卸業者から取り寄せているが、量が十分に入らないため価格が上昇、昨年同時期の平均に比べて3倍近くまで上昇している品目もあり、食卓でおなじみの食材の高値は家計に打撃となりそう。

 9月に入り北海道産が主流となっている野菜はタマネギ、ダイコン、ニンジン、ジャガイモ。この4品目は現在、地元で生産された地場産の入荷はゼロ。タマネギの場合、年明けの3月ごろまで北海道産の入荷が続き、ダイコンは年末の12月ごろには地場産も出回る。ニンジンとジャガイモは11月ごろに長崎産が入荷する。

 名瀬中央青果では地震発生以降、鹿児島市場などと取引している業者からの北海道産入荷が低調。「市場に行っても物(北海道産野菜)があるか分からない、入荷が見通せない」との情報が寄せられているという。中央青果の担当者は「現在出回っている北海道産野菜は地震発生前の物ではないか。北海道産は葉物ではなく保存が利く野菜が多いが、ニンジンなど質が悪くなっている野菜もみられる。地震が発生したものの、収穫ができているのならライフラインが復旧すれば、北海道産野菜が市場に出回るようになるのではないか。ただ北海道だけでなく関西方面も台風の影響で物流輸送に支障が出ているだけに安定供給は、かなり先になるかもしれない」と指摘する。

 中央青果で現在取り扱っている野菜の価格を昨年の同時期と比較した場合、品目によっては大幅な差がある。キロ当たり単価は、▽ニンジン=平均140円→380円▽ダイコン=同182円→約300円▽ジャガイモ=同約150円→250円▽タマネギ=同約100円→175円。タマネギはそれほど上がっていないが、ニンジンは3倍近くまで上昇している。

 北海道産野菜は、子ども達が大好きなカレーなどに欠かせない食材ばかり。高値が続くと家計のやりくりに響くが、青果店関係者は「キャベツやハクサイなどの葉物は現在、量が出回り値段も安定している。また質もいい。こうした野菜を取り入れた献立メニューにしては」とアドバイスする。