関西―奄美便 12日ぶりの再開

関西―奄美便 12日ぶりの再開

運航が再開した関西―奄美便の到着後、奄美空港のロビーは多くの利用客でにぎわった(17日午前)

 

観光、帰省客ら無事到着
観光業界「痛手」の声も

 

 台風21号による浸水被害などで運用制限が続いていた関西空港が徐々に復旧しつつある。バニラ・エアは16日、関西―奄美便の運航を再開。実に12日ぶりの運航となった。無事、奄美大島に到着した利用客らからは喜びと安堵の声が聞かれたが、観光業界では欠航の影響を受けた事業者もいた。

 大阪府の関西空港は、今月4日に近畿地方に上陸した台風21号により滑走路や駐機場の大部分が浸水。7日から順次国内線の運航を再開しはじめ、14日には第1ターミナルビルの暫定供用を開始した。17日の同空港発着便の運航率(16日午後1時現在)は国内線合計70%、国際線39%まで回復。同空港の運営会社・関西エアポートによると、21日には閉鎖されていた第1ターミナルビル北側を全面復旧させ、旅客便の運航スケジュールが平常に戻る予定。

 バニラ・エアの関西―奄美間の往復便も16日に運航再開。同社は20日までの運航予定をホームページ上に公開しており、最大で1時間15分程度の遅延を見込んでいるものの、全便運航を予定。21日以降の運航に関しては未定としている。

 17日、関西―奄美便が奄美市笠利町の奄美空港に到着すると利用客や、レンタカー事業者・ホテルの送迎などで到着ロビーはにぎわった。福井県から友人2人と観光で訪れた高田瑛美さん(24)は「ぎりぎりまで飛ぶかわからなかったため、キャンセルや利用する航空会社の変更も考えていた。再開して本当に安心」と笑顔だった。

 兵庫県から帰省のために、家族で同便を利用した本城さくらさん(33)は「9日に到着する予定だったが、2回スケジュールを変更する羽目となった。やっと子どもたちを親戚に会わせることができる」と安堵。6日に発生した北海道胆振東部地震の発生後には「テレビが関空の情報を放送する機会が減ったので状況を把握するのが大変だった」と振り返った。

 12日にわたる欠航により、観光業界にも影響があった。奄美空港周辺に営業所を持つレンタカー業者は「LCC利用の方からの予約も多く、欠航の間は毎日10~15件程度のキャンセルがあった。運航再開は助かる」。龍郷町内のダイビング事業者は「キャンセルも多かった。台風に続き、今回の事態だったので売上的にはかなりの痛手」と声を落とした。