化学消防車が立往生

徳之島空港の化学消防車(訓練・資料写真)

 

徳之島空港滑走路一時閉鎖
2往復4便が欠航

 

 【徳之島】徳之島空港(天城町浅間)で16日朝、滑走路を走行点検中の化学消防車1台のエンジンが停止して立ち往生するトラブルがあった。滑走路が一時閉鎖され鹿児島と奄美大島発の2往復計4便が欠航し、少なくとも約140人に影響が及んだ。

 同空港は県が天城町に管理委託し、県所有の化学消防車2台を常備。その通常点検や非常時の運用は、航空機燃料給油業務と併せて民間企業(本社・鹿児島市)に委託している。滑走路の走行点検は通常の始業点検後、空港業務開始前の午前7時~8時ごろに毎日実施しているという。

 県港湾空港課や同空港管理事務所など関係者によると、同日は午前7時半ごろから滑走路(全長2000㍍)を走行点検した。ところが同車庫から北に約400㍍付近を走行中、不意にエンジンが停止。セルモーターは回転するもエンジンは再起動せず、もう1台でけん引移動を試みるも重量約15㌧の車体はびくともせずブレーキがロック状態。町内の車整備士の対応で移動することができ、午前9時半ごろになって滑走路の利用を再開できたという。

 同トラブルによる滑走路の一時閉鎖によって鹿児島―徳之島、奄美大島―沖永良部島―那覇(アイランドホッピングルート)の計2往復4便が欠航を余儀なくされた。

 空港管理事務所の関係者らは「車両を再点検して原因が分からないと今後の対策も打てない。利用者には迷惑を掛けて申し訳ない気持ちでいっぱい。ただ、航空機事故に備えて化学消防車の走行訓練は必要」と複雑な表情で話した。