輸送訓練で巡視船「かいもん」に乗り込む奄美署員(名瀬港、19日午前10時ごろ)
県警、十管相互協力は初 巡視船で警察署員搬送も
警察や海保、消防機関の相互連携、地域の防災意識高揚を図ろうと喜界島で19日、地震と津波発生を想定した災害合同訓練があった。関係機関は情報伝達、救助・搬送などの各種活動を展開。離島域での迅速な救助体制を確認した。
県警察本部と第十管区海上保安本部は今年3月、「災害時における相互の施設や物品などの利用、職員の相互輸送などに関する覚書」を締結。今回の訓練は締結後初の合同訓練となった。
訓練は、同日午前10時、喜界島近海を震源とする震度6弱の地震が発生。合わせて喜界町内に大津波警報を発令したとの想定。地元行政機関、社協と合わせ約70人が参加した。
防災無線による大津波警報と避難指示を発令した情報伝達、奄美署喜界幹部派出所の機能移転などを展開。メーン会場となった同町の湾港緑地公園では災害対策本部を設置し、対処・連携を確認したほか、炊き出し訓練を行った。
また合同訓練の一環で警察官輸送訓練も実施。現地から要請を受けたとして、名瀬港から奄美署員(奄美ブロック第二機動隊)18人が奄美海上保安部所属の巡視船「かいもん」に乗船し、湾港まで搬送した。
同派出所の田島憲一郎所長は「緊急時の連携対応が図られ、みつかった課題は今後に生かしたい」と総括。迅速性が問われる離島域での救助に触れ、「人員搬送の協力など海保との連携は心強い。自然災害のリスクを踏まえ事前訓練の実施は大きな意義がある」と話した。
同保安部警備救難課の松本晃彦課長は「協力体制を維持しながら奄美群島での迅速な救助活動を展開していく」と語った。