奄美TS発足、司法・福祉など連携

障がい者支援に向け発足した、奄美TSの潤さん(写真右)と鈴木弁護士

知的・発達障がい者支援へネットワーク
「地域の輪を広げたい」

 事件や犯罪にまきこまれやすい知的・発達障がい者の支援に、司法や福祉など多分野の専門機関が連携して取り組む動きが奄美大島島内で進んでいる。障がい者と社会をつなぐ仲介役を育成し、障がい者が抱える生きづらさに寄り添える地域ネットワークの構築を目指す。

 知的・発達障がいの特性から誤解されやすく、問題行動や事件につながりやすいことを踏まえ、障がい者が心豊かに社会生活を送れるよう支援する「トラブルシューター(TS)」。司法や福祉、医療、地域、行政などの機関による体制づくりがNPOなどを中心に広まっている。

 同島内でこのほど、そらうみ法律事務所奄美事務所、㈱リーフエッヂ、指定相談支援事務所「星の園」が連携して、「奄美トラブルシューターネットワーク(=奄美TS)、事務局星の園」が発足した。

 地域で暮らす障がい者が地域社会でトラブルに出会った際、TSが本人やその家族を手助けし、場合によっては警察や弁護士、メディアに対する働きかけや権利保護に尽力する役割を担うという。

 県内に先駆け、奄美TSは10月6日、龍郷町りゅうがく館でTS養成研修会を開く。当日は、▽司法と福祉の連携~刑事手続き入門編~▽認知行動療法入門編―のプログラムを行う。入場無料だが事前申し込みが必要。

 関係者は、司法事案の当事者、被害者としてサポート支援、地域理解の醸成の重要性を示唆。将来的には組織化を見据え、地域ネット化を急ぎたい考えだ。

 「星の園」の相談支援専門員を務める潤俊司さんは「司法、警察機関の障がいに対する理解を促し、地域で支援の輪を広げられたら」と発足意義を強調する。

 そらうみ奄美事務所の鈴木穂人弁護士は「司法と障がい者の間に立つ、調整役として意義は大きい。事件になる前の対処での連携が今後重要になる」と話した。

 問い合わせ先はTEL0997―62―3392(星の園)まで。