住用町マングローブ観察会

シオマネキが出てくるのをじっと待つ参加者たち

見て触れて自然の多様性実感 奄美博物館

 市立奄美博物館は23日、動植物の観察を楽しむ自然講座「住用町マングローブいきもの観察会」を同町のマングローブ林で行った。この日は、子どもを中心に親子連れなど27人が参加し、同林内の干潟を歩いて動植物を観察。子どもたちは、マングローブ林が育む動植物に見て触れて、自然の生態系の多様性を実感した。

 観察会は、奄美の世界自然遺産登録を前に、再度生物の多様性に理解を深めようと実施。同博物館・平城達哉さんが講師を務め、同林内の干潟を中心に希少な動植物を散策した。

 同市教育委員会文化財課・久伸博課長はあいさつで「住用の海は住用川と役勝川が交差し、動植物が沖合に展開する豊かな漁場集落」と同海の特徴を説明。観察のコツとして「スケッチする感覚でじっくり見て」とアドバイスし会が始まった。

 平城さんは「マングローブという名前の植物はなく、海水が満ちた時間帯に生える植物をまとめてマングローブと言います」と話すと一同からは驚きの声。オヒルギ、メヒルギなど同林内に自生する植物類を見て回り、詳しい解説を受けた。

 生き物では、広大な干潟を歩きながら、オキナワハクセンシオマネキやミナミコメツキガニ、ミナミトビハゼなどを観察。シオマネキの観察では、穴に隠れたシオマネキが出てくるのを我慢強く待ちながら「見えな~い」「あっ、招いた」など動作や生態などを事細かくチェックするなど、希少な生物に親しんだ。

 3種類のカニを見比べたという節田小学校4年・大山崇寛くんは「種類によって歩き方が違うことが分かった。家に帰ったら近くの海でも観察してみたい」と喜んだ。