11年ぶりの例大祭

11年ぶりの例大祭

神殿に向かい玉串を捧げ拝礼する参列者

集落民など参列、遺徳しのぶ
西郷の命日・芦花部の南洲神社

 西郷隆盛の命日の24日、奄美市名瀬芦花部の南洲神社で例大祭が行われた。2007年の西郷の没後130年にあった式年大祭以来となる11年ぶりの例大祭。集落住民や関係者などが参列して西郷の遺徳をしのび、お供え物を拝殿に並べ宮司が神事を執り行った。

 同集落には西郷が半年間いたことなどから、ゆかりの地として同神社が建立されていた。現在は集落が維持管理しており、最近は大河ドラマの放送で南洲神社を訪れる観光客など増えているという。

 同神社は1940年に鹿児島南洲神社から分祀。奄美では沖永良部島にもある。『芦花部南洲神社諸記録』によると、同集落には西郷が1860年から61年の間の半年間、同集落の子弟に教育や狩猟、漁などを教えていたとしている。

 例大祭は、同市名瀬の高千穂神社の禰宜=ねぎ=で南洲神社の宮司を兼ねる當郷裕之さんが、集落の町内会に声を掛けて実施。例大祭には住民や奄美市西郷塾塾生など約40人が参列した。

 祝詞奏上や玉串拝礼など滞りなく神事が進行。神殿に全員で拝礼して例大祭は終了となり、お神酒が参列者に振る舞われた。

 参列者を前に當郷さんは、自身も参加した11年前の式年大祭を述懐。「11年前は県神道青年会で研修を芦花部公民館で行った。南洲神社での祭典奉仕も実施し、熊本県菊池市からの参拝者もいた。例大祭を再興できて誇りに思う。奄美大島にも南洲神社があると知ってもらえれば」と語った。

 芦花部集落の町内会代表の喜島和博さん(56)は、「伝統的な祭事をできるだけ残していきたい。集落と西郷との縁など勉強して、観光客などに広めていきたい」と話した。