「十五夜綱かつぎ」名瀬小湊

大綱を引き、「十五夜どー」と声をあげながら、集落を練り歩いた「十五夜綱かつぎ」

「十五夜どー」
厄除けに集落練り歩き

 旧暦8月15日にあたる24日、奄美市名瀬の小湊集落では、無病息災を願う「十五夜綱かつぎ」があった。地域の子ども会の参加者らが、長さ10㍍の大綱を担いで、かねとほら貝の音に合わせ「十五夜どー、十五夜どー」と声を張り上げながら、集落内を練り歩いた。

 関係者によると、「十五夜綱かつぎ」は災厄などを追い払う行事で、100年以上前から伝わるという。少子化が進む一方で、地元小湊小学校の総合学習とも連携して伝承活動が続けられている。

 5年ほど前から、同小の稲作活動に携わり、指導しているという川畑賢一さん(74)は「昔、
集落の人がはしかで多く亡くなって疾病を追い払うために行ったとも聞いている。今後も継承されてほしい」と話した。

 同日は、午後6時に集落の中央広場(まあ)に集まった後、同小の「稲作活動」で収穫したわらで作った約5㍍の大綱を持ち、集落内を、掛け声を上げながら往来して歩いた。

 その後、綱を海岸に敷き土俵に見立てると、学年ごとに相撲を取り最後は、綱に火を灯して、海へと流した。

 大川中3年の津留拓斗君は「みんなで掛け声を上げながら、集落を回ったり、相撲を取ったりと楽しく参加できた。今後も続いてほしい行事」と笑顔で話した。