フェリー運航再開 物流も平常に

フェリー運航再開 物流も平常に

県本土から物資を運ぶ鹿児島航路下り便が2便入港した名瀬港では荷役場にコンテナが積み上げられた(7日午前8時ごろ)

丸コンテナ積み上げられる
小売店品出し作業 従業員総出で対応

 台風の影響により、欠航していた県本土と奄美群島を結ぶフェリーの下り便が運航を再開し、7日朝の名瀬新港には臨時便・定期便計2便が入港した。停滞していた物流が息を吹き返し、荷役作業が行われた同港岸壁では県本土から運ばれたコンテナがうずたかく積み上げられた。

 台風25号接近に伴い、3日鹿児島発下り便は名瀬止まりとなり、徳之島以南へは向かわなかった。4日下り便以降は欠航となり、6日出港・7日群島各島入港便が再開するまで物流はストップ。9月末に接近した台風24号による欠航から間を置かず、再び欠航したことから、各地の小売店で商品の並んでいない棚が多く見られた。

 7日、奄美市名瀬でスーパー5店舗を展開する㈱グリーンストアの入舟店では、入荷が相次ぎ品出し作業に追われる従業員の姿があった。この日は普段の3~4倍の量の商品を仕入れたため、出勤時間や休日をずらすなどし、従業員総出で対応した。

 同社では熱帯低気圧が発生した段階で、フェリー欠航のタイミングを予測し発注量を調整しているが、担当者は「予想よりも1日早く欠航したため、十分な仕入れができなかった」と話した。実際、牛乳を皮切りに多くの日配品が品薄となったという。

 物流は再開したものの、野菜など不安の残る商品も。同社の里泰慶代表は「農業被害が多く、値段が上がるなどではなく、商品が入手できない」。台風による被害のほか、西日本豪雨や、北海道胆振東部地震などの影響で群島外からも入手困難な状況にあるという。

 鮮魚も出漁できない期間が続いたため、冷凍品や島内産の養殖品に頼り切りの状態に。相次ぐ台風に翻弄される状況に対し、里代表は「台風にはもうご遠慮願いたい」とため息をこぼした。