県内離島空港就航率

県内離島空港就航率

離島空港では就航率向上のための対策も進められている(喜界空港で)

奄美群島で最低は喜界
向上へ対策取り組み

鹿児島県が管理する空港は、県内離島に7空港ある。過去10年間の平均就航率をみると、奄美群島の5空港では喜界が最も低い。種子島、屋久島の2空港はさらに下回っており、県や国は就航率向上対策を進めている。

9月定例県議会一般質問で取り上げられ、渡邊茂土木部長が答弁で明らかにした。外海離島では交通手段が限られている中、空と海の便は移動で欠かせない「住民の重要な足」となっている。

県内離島空港の就航率をみると、奄美群島では奄美空港97・6%、喜界空港96・4%、徳之島空港97・7%、沖永良部空港96・5%、与論空港97・7%。わずかな差だが、徳之島と与論が最高で、喜界が最低となっている。

96~97%台の奄美の5空港の平均就航率よりも低いのが熊毛地区の2空港。種子島、屋久島空港とも95・4%にとどまっている。ただ、それでも離島7空港の就航率は、それぞれ国際基準の95%を上回っている。

離島空港に就航する飛行機路線が機能しない欠航の原因として県は、▽空港周辺の視界不良▽エンジントラブル等による機体故障▽台風による運航停止―を挙げる。こうした中、就航率向上策としてジェット機が就航する空港では、県が計器着陸装置の設置を進めており、3空港(種子島、奄美、徳之島)には設置済み。また、他の就航率向上策として国が地上施設とGPSからの信号を利用した運航方式の導入に取り組んでいる。航空会社では、この運航方式に対応していない航空機について順次更新しているという。

就航率向上は、離島住民の移動手段の安定化だけでなく観光客の受け入れ態勢の充実につながるが、離島観光ではクルーズ船誘致も進められている。県は奄美の世界自然遺産登録を見据えて、鹿児島と屋久島、奄美群島を結ぶ「世界遺産クルーズ」の誘致に着手。2017年度には屋久島の宮之浦港に日本船や欧米船などが24回、名瀬港には13回寄港した。このうち6回が宮之浦港と名瀬港の双方に寄港。乗船客は、世界自然遺産に関連する豊かな離島の自然を楽しんだ。

県は、引き続き国内外の船社訪問やクルーズコンベンションの際に離島を積極的に紹介。あわせて船社や旅行会社などを離島視察に招へいし、クルーズ船誘致に積極的に取り組む方針だ。