宝勢丸・徳田氏報告

宝勢丸・徳田氏報告
 
「次の100年見据えた経営・情報発信を」
南九州水産海洋研究集会

 

 【鹿児島】第6回南九州水産海洋研究集会が10日、鹿児島市の鹿児島大学水産学部であった。「カツオ資源・漁業・利用加工の現状と課題」をテーマに水産研究者、市場関係者、県内漁業者らが一堂に会し、基調講演や話題提供、パネルディスカッションなどを行った。奄美関係では宝勢丸鰹漁業生産組合(奄美市)の徳田謙治氏=写真=が「奄美大島のカツオ一本釣り漁業者からみた近年のカツオ資源」と題して活動などを報告した。

 同集会は南九州の水産業発展に寄与するため、県水産技術開発センター、水産海洋学会、鹿大水産学部、宮崎県水産試験場が共催し、2012年度から毎年開催している。全国シェアの約73%の鰹節生産量があるなど鹿児島県の主要産業でもあるカツオについて、生態や資源動向、漁獲動向などについて各分野の専門家が講話した。

 徳田氏はこの10年間で取り組んだ宝勢丸の活動について紹介。「自営船で漁獲したカツオやキハダの節加工と刺身加工をする。漁獲・加工・販売を一貫して行う経営スタイルにいち早く取り組んできた」。飲食店経営、加工残さを使ったたい肥作り、畜養生簀での一本釣り体験や魚さばき体験などをメニューとしたブルーツーリズムにも取り組むなど、6次産業化の実現やカツオ資源の有効活用についての実践例を紹介し「次の100年を見据えた資源や環境に配慮した漁業の経営・情報発信を行っていきたい」と語っていた。