愛用品など7点を追加

展示の一部入れ替えを行った企画展「西郷隆盛と菊次郎展」

龍郷町りゅうがく館
「西郷隆盛と菊次郎展」一部展示替え

 龍郷町教育委員会は11日、同町の生涯学習センターりゅうがく館で開催されている特別企画展「西郷隆盛と菊次郎展~敬天愛人に繋がる親子の絆」の展示資料の追加入れ替えの実施を発表した。菊次郎の子孫や拓殖大学が所蔵する菊次郎に関する資料7点を追加し、2点を展示から外して収蔵庫に保管した。主催者は展示替えを機に、多数の来場を呼び掛けている。

 町教委は明治維新150年と大河ドラマ「西郷どん」の放送に合わせ、同地で3年間を過ごした西郷隆盛と名誉町民になっている長子・菊次郎の特別展を企画。隆盛、菊次郎などにゆかりの貴重な資料を集めて、4月20日から来年2月3日までの日程で展示して一般公開していた。

 町教委の川元美咲学芸員によると、追加したのは菊次郎のひ孫にあたる諌山尚子氏が寄託した菊次郎愛用の掛け時計など3点と、拓殖大学所蔵の辞令書など4点を合わせて7点。8日に入れ替え作業をして、9日から一般公開されている。

 また4月から展示していた1906年(明治29)に交付された台北支庁長の辞令書など2点は、資料が照明の光で劣化する恐れがあるため収蔵庫で保管し企画展終了後に貸し出し先に返却する予定とした。

 川元学芸員によると、「掛け時計は菊次郎が2度目の米国留学時に購入したもの。所有者が台湾宜蘭県史館に寄贈の意向を表明しているので、国内では今後は見られない貴重な資料」と話した。

 この日ツアーで同館を訪れた青森県十和田市の田中涼子さん(72)は、「西郷南洲謫居跡は見られなかったが、特別企画展を見られて菊次郎の存在を知ることができ良かった。大河ドラマも見ている。もうすぐ菊次郎が登場する回が放送さるそうなので、企画展で見学したものを忘れずに楽しみに待ちたい」と話した。

 企画展は同館文化財展示室で、午前9時~午後5時まで。観覧は無料となっている。