世界自然遺産や外来種学ぶ

龍南中学校で環境学習を行った奄美野生生物保護センターの髙橋さん

龍南中1年環境学習
セイタカアワダチソウ駆除へ

 龍郷町の龍南中学校(福水浩一校長、生徒119人)は10日、同校で2018年度環境学習を行った。同校1年の生徒が、講師から在来種や外来種、世界自然遺産登録の経緯などの説明を受けた。次回の活動は、校区内に生えている外来種セイタカアワダチソウの駆除を予定している。

 同校は奄美の自然を考える機会として、総合的な学習の時間などを利用して、これまで様々な外来種対策を実施。生徒会役員を中心に、特定外来生物オオキンケイギクの駆除や外来植物の調査に取り組んできた。

 同町久場の県道沿いなどに生えていたオオキンケイギクは、これまでの活動で95%以上が駆除されたという。この日は環境省奄美野生生物保護センターの髙橋周作自然保護官補佐が、環境学習の講師を担当した。

 髙橋さんは、「世界自然遺産推薦地の現場から伝えたいこと、知ってほしいこと」と題して講話。世界遺産について、「人類にとって世界の宝物で、自然遺産、文化遺産、複合遺産の三つがある」と解説した。

 「日本にある世界遺産は、自然(4件)と文化(18件)を合わせて22件で、今年登録が決まった長崎と天草地方の潜伏キリシタンも入っている」「自然遺産は屋久島、知床、小笠原諸島、白神山地の4カ所で、奄美・沖縄は登録されると最後の自然遺産になるだろう」などと話した。

 世界自然遺産登録の流れを図表で示して、今年5月にIUCN(国際自然保護連合)から登録延期の勧告を受けた経緯を説明。「登録を実現するには、IUCNから外来種対策の強化が求められている。みんなで自分にできることは、何かを考えてほしい」と呼び掛けた。

 18年度は昨年度の外来植物調査でセイタカアワダチソウを駆除することを決定していたため、次回の環境学習は校外での同種の抜根作業を体験するという。

 環境学習に参加した1年の前田蓮くん(13)は、「マングースとネコが外来種だとは聞いていた。セイタカアワダチソウは、初めて知った」「世界遺産はしっかり準備して、時間をかけて登録になったらいい」と感想を話した。