オンリーワン商品で世界へ

経産省・地域産業資源活用事業」認定書を受けた㈱ヘルシーアイランズの藤山社長(左)=17日、徳之島町役場

アマミシマアザミ栽培ほ場(徳之島町)=資料写真

経産省・地域産業資源活用事業 ヘルシーアイランズを認定

 【徳之島】経済産業省(九州経済産業局)は、産官学の共同研究で商品開発を進める㈱ヘルシーアイランズ(徳之島町母間、藤山尚三郎代表取締役)が申請した「奄美の伝統食材『アマミシマアザミ』の健康・医療業界向け商品開発及び販路開拓」事業計画を、地域産業資源活用事業に認定(12日付)。徳之島町役場で17日、同認定書交付式があり、同社は「国内外へオンリーワンの商品販促を」など意欲を示した。

 中小企業地域資源活用促進法の規定に基づく同事業計画の認定(5年以内)を受けると、各種支援措置(補助金、融資金利の優遇、信用保証の特例など)を活用して新商品や新サービスの開発、需要の開拓などが可能に。九州で計201件目、うち奄美群島では4件目(実施中のみ)。

 ㈱ヘルシーアイランズは、奄美古来の食材の「アマミシマアザミ」(キク科アザミ属の多年草)の産地化も並行して推進。徳之島町をはじめ琉球大学熱帯生物圏研究センター(所長・屋宏典副学長)、NPO法人奄美機能性食品開発研究会(上山泰男代表理事)の連携で健康・美容面の機能性などを示した健康食品原料として現地買い入れ、一次加工(乾燥・粉末化など一次加工)を手掛けている。

 認定書交付式の冒頭、加工施設(徳之島町機能性植物加工センター)=母間=の建設貸与など支援している同町の高岡秀規町長は「新しい事へのチャレンジは、相当の勇気と継続する忍耐力が必要。地域ぐるみでチャレンジするまちづくりに」。認定書を伝達した柳島一清・九州経済産業局中小企業経営支援室長は「島内消費だった素材で島外からお金を稼ぎ、島民の健康維持、雇用にもつながる。離島農産物は輸送費など不利な点も多いが、薬や健康的なものになるほど解消される」などと期待を寄せた。

 藤山社長は経緯を交え「奄美を北限に台湾まで分布するシマアザミに着目し、世界に売り出すのは私たちが初。このオンリーワンの商品を大切に、国のご支援をいただき、町と一緒になって奄美から世界へ。認定によって国内外への営業展開、販売促進ができる」とお礼を述べ、期待を膨らませた。