奄美市TNR事業支援

鹿大共同獣医学部の獣医師たちが野良猫の不妊手術を実施した

当初の目標は達成可能
鹿大、3回目の派遣

 鹿児島大学共同獣医学部は20日、奄美市名瀬で捕獲された野良猫に不妊手術を施した。8月から開始した市のTNR事業への支援で、同大から獣医師など3人が派遣され21日までの日程で61匹を予定。41匹に不妊手術が行われた。

 奄美大島の山中ではノネコ(野生化した猫)が、固有種や希少種などを捕食する問題が起きている。島内5市町村はノネコの発生源対策として、野良猫を捕獲して不妊手術を行い元の場所で放すTNR事業を実施。2017年度末までに、累計2382匹に手術している。

 同市と鹿大の包括連携協定は、06年3月に締結したもの。同協定に基づいて、同学部の獣医師2人と看護師1人を派遣し捕獲された野良猫に不妊手術を実施する。

 手術には奄美ノネコセンターを利用し、2日間で30匹ほど手術する。同大は来年3月までに6回の派遣を予定。これまで8、9月の2回の派遣で、捕獲された野良猫81匹に手術を実施している。

 3回目となる今回は、市内の住宅地などで捕獲された野良猫61匹に手術を行う計画。この日は、市環境対策課職員が記録作業などを担当し、麻酔をかけられた野良猫が処置室に次から次へとひっきりなしに運び込まれ、獣医師たちにより不妊手術を受けた。

 手術を受けた野良猫は、目印に片耳に切り込みが入れられる。手術後は安静に休ませて、捕獲場所で放されるという。

 手術を行った十川英=そがわたけし=助教は、「今回野良猫の数が多いようだが、これから目標の180匹は達成でき200匹以上になりそう。ただ市によると野良猫はまだまだいるそうなので、今後も市の事業に協力を続けたい」「手術予定の野良猫が多いので、安全で速くて、(縫合など手術跡が)きれいな手術を心掛けている」と話した。