県内外からの応募作品並ぶ

「奄美を描く美術展」の入賞作品を鑑賞する来場者

田中一村美術館「奄美を描く美術展」

 奄美市笠利町の県奄美パーク・田中一村記念美術館で21日から、田中一村生誕110年記念「奄美を描く美術展」(同館主催)が開かれている。奄美らしさを表現した油彩や水彩、アクリル画など県内外からの応募作品約40点を展示している。11月18日まで。

 奄美の自然に魅せられ、日本画の新たな境地を開いた一村に学ぼうと、奄美の植物や風景、住民などをモチーフにした恒例の美術展で今年17回を迎えた。

 今回は奄美群島を含む全国から98点の応募があり、このほど入賞12点、入選50点を選出。会場には大賞、優秀賞など入選作を中心に作品を展示した。

 大賞受賞は海中のウミガメを描いた東京都・上田泰徳さんの日本画「帰還」。色調や構図の工夫が高く評価され、来場者の目を楽しませた。

 そのほかの主な入賞(敬称略)は、▽▽田中一村記念美術館賞=「通り雨」平野良光(徳之島町)▽優秀賞=「金作原」丸山良二郎(鹿児島市)、「干潮」寛文雄(伊仙町)、「ダチュラ」矢﨑朱実(愛知県)、「流転」中村哲郎(奄美市)、「浜木綿随想」平芳子(同)―など。

 西健吉審査員長は「自然を中心に奄美の生活や風景をとらえた作品が多かった」と総評。今後も魅力的な創作に期待感を示した。

 開催時間は午前9時から午後6時(最終日は午後4時まで)。授賞式が28日、同館である。問い合わせは電話0997―55―2635(田中一村記念美術館)まで。