国際コンクリート工学廉賞の最優秀作品賞

山下さんとアトリエ・天工人が設計し、fib賞を受賞した「R・トルソ・C」(アトリエ・天工人提供)

山下さん(奄美市笠利町出身)設計の住宅 シラスコンクリート使用

 奄美市笠利町出身の建築家・山下保博さんと、山下さんが代表を務める建築設計事務所「アトリエ・天工人=てくと=」(東京都渋谷区)が設計した住宅「R・トルソ・C」がこのほど、2018年国際コンクリート工学連盟(fib)賞の最優秀作品賞に選ばれた。

 fibはコンクリート、コンクリート構造の学術団体。4年に一度開催される国際会議の時期に合わせ、世界的に優れたコンクリート構造物に賞を授与している。今回は最優秀賞に建築部門2件、土木部門1件が選出されており、9日にオーストラリアのメルボルンであったfib国際会議で授賞式が行われた。

 受賞した「R・トルソ・C」は東京の66・67平方㍍の敷地に建つ延べ床面積103・74平方㍍の小さな住宅。同社が東京大学の野口隆文教授、佐藤淳准教授と共同開発した、火砕流堆積物をつかった「シラスコンクリート」が使用されている。山下さんは「産地の経済発展を促すような社会的行為を含んでいる」としている。

 同住宅は16年に日本コンクリート工学会作品賞、17年にアメリカコンクリート学会の総合最優秀賞を受賞していた。山下さんは「コンクリートの世界で、日本・アメリカ・世界最大のfib賞と、重要な賞をすべて受賞出来たことを大変うれしく思う」と喜んだ。