自衛隊、現地入り 爆発現場調査

陸上自衛隊や警察、消防、役場職員が合同で爆発現場を調査した(喜界町湾)

金属片さらに複数確認
喜界町湾 不発弾特定至らず

 26日午後、喜界町湾の民家敷地内で今月18日に爆発した事故現場の調査が行われた。陸上自衛隊不発弾処理班が喜界島入りし、警察、消防、役場など行政機関は合同で爆発跡での確認作業を実施した。爆発直後、現場付近で金属片が2枚見つかっているが、今回の調査で新たに複数の金属片を回収。捜査関係者は「何らかの爆発物による爆発が考えられる」とし、不発弾による爆発の可能性を否定しなかったものの原因特定には至っていない。27日も調査を継続し、発掘と回収した金属片の選別などを予定している。

 同町によると、爆発は18日午後2時過ぎ。地面には直径約9㍍、深さ約3㍍の穴が開いた。この爆発で、60代男性所有の木造平屋建ての倉庫1棟(96平方㍍)が半壊。敷地内には男性の妻の実家があり、当時室内にいた男性と妻にけがはなかったが、倉庫内にあった軽トラックが穴に落ち損傷する被害を受けた。

 事故後、現場から表面がさびついた金属片2つを回収し、保管。それぞれ長さは約55㌢、約20㌢で、厚さは8㍉程度。不発弾が爆発した可能性があることから、同町の要請を受け、県警は自衛隊に現地調査を依頼。この日は陸自西部方面隊第104不発弾処理班が現地入りし、地元機関から約30人が現場作業を実施した。

 作業では重機によるがれきの撤去、土砂の掘削を行いながら、爆発物の特定につながる物証を慎重に捜索。これに伴い、現場から半径50㍍以内の住民2世帯7人が避難対象となり、現場周辺の町道が通行止めとなった。爆発してできた穴の周辺を確認したところ、新たに金属片30枚を回収したという。

 調査終了後、陸自処理班担当者は爆発した穴から見つかった金属片と不発弾との関係性の確認を示唆。一方で、第二次世界大戦中、空襲などによる不発弾が周辺で多数確認されていることに触れながらも、「可能性はあるが爆発物の特定、爆発した原因はいまのところ不明」と慎重な考え。

 同町総務課によると、これまで行われた不発弾の処理数は、確認できる1997年以降で27個。爆薬クラスから最大は250㌔爆弾で、いずれも不発弾処理が行われた。

 同町湾は戦時中、旧海軍飛行場があったほか、島内に軍事施設が配備された経緯から不発弾が見つかっている。

 すでに今年は2回(4、6月)処理を行っているほか、11月にも計画。一方で、今回の爆発が不発弾とすれば、町担当者は「把握していない不発弾で、爆発したケースは例がない」と振り返る。

 事故現場の男性(67)は「テレビを見ていたら大きな轟音と共に、大きな穴が出来ていて、驚いた」と述べ、今後の生活への影響について「壊れた倉庫の撤去など対応もどうなるかわからない」と不安を口にし、調査の行方を注視している。