「奄美島うたのど自慢大会」

「カンモウレ市場のうた」を熱唱する信島賢誌さん、コーラスは隈元裕平さん。ほか多くの応援が駆け付けた


圧倒的な声を響かせた里アンナさんと前山真吾さんは、シマ唄のほかにNHK大河ドラマの関連曲も歌い上げた


里アンナさん、前山真吾さんのシマ唄でいっそう盛り上がる会場のひとたち


グランプリに輝き、最高の笑顔の重信洋子さん(左)と平岡優香さん(右)。共に「応援してくれた人たちにありがとう」と感謝の気持ちを表していた

 

1部平岡さん、2部重信さん優勝
満員の観客の前で熱唱

 【東京】「関東奄美夏まつり・第9回奄美島うたのど自慢大会」(主催=東京奄美文化交流協会・奄美島うたのど自慢実行委員会)がこのほど、目黒区の目黒区民センターで約400人と満員の観客を集め、田中美穂さんの司会で盛大に開催された。第1部「奄美島うたの部」には18組がエントリー、龍郷町出身の平岡優香さんが伸びやかな声で「塩道長浜節」を熱唱し優勝。また16組が競った第2部「奄美歌謡・新民謡の部」では、沖永良部出身の重信洋子さんが「加計呂麻慕情」で優勝した。またゲストとして里アンナさん、前山真吾さんが登場した。

 「声を張るところはきちんと張り、自信を持って歌うことを心掛けました」。そう喜びを語ったのは、第1部でグランプリに輝いた平岡優香さんだ。

 あどけない笑顔が印象に残る平岡さんは、大学1年生。「小学校2年生ごろからシマ唄に親しんできた」が、この大会の存在は知らずに叔母に言われての初出場。居並ぶ強豪を抑えて初の舞台での快挙とあって「応援してくれた親戚の人たちに、ありがとうといいたい。声に出せないくらい、うれしい」。堂々としたステージの姿とは対照的にはにかんだ。

 一方、第2部を制したのは3度目の挑戦となった重信洋子さんだった。「一昨年が2位、昨年が3位でしたので、今度の優勝は本当にうれしい」と、念願の頂点に立てて大満足の様子で振り返った。

 そんな二人を含む全出場者にエールを送ったのが、ゲストの里アンナさんと前山真吾さん。大きな拍手で登場した二人は、約50分間、華やかにステージを競演した。絶妙なトークを交えながら、圧巻の歌声で「長朝花節」(里さん)「徳之島節」(前山さん)などを会場に響き渡らせた。

 なお1部の準優勝は福田順之さん(龍郷)、3位はムスヤ葉子さん(静岡)。2部の準優勝は、村岡俊貴さん(千葉)、3位は野沢孝行さん(山梨・甲府)だった。

 また、審査員賞として特別賞に信島賢誌さん、奨励賞に砂守秀美さん、審査員賞に田中真由美さんが選ばれた。激戦の合間には、奄美各地区の方言を話す「島口コーナー」や、「八月踊り」なども披露された。

 さらに昨年、新民謡の部で優勝した、林法義さんらが「大島エレジー」でフィナーレを飾った。「まれに見る激戦となった」(恵原義之審査員長)数時間にわたった「奄美の歌の祭典」は、来年記念の10回大会を迎える。