奄美地区自立支援協研修会

シンポジウムでは島内のさまざまな立場から障がい者支援に携わる3人が活動


ノーマライゼーションの考え方などについて講演した「しょうぶ学園」の福森統括施設長

「その人は、その人のままで」
公園で学習、シンポで事例発表

 奄美地区障害者自立支援協議会(石神康郎会長)は31日、奄美市名瀬のAiAiひろばで研修会を開いた。鹿児島市の障がい者福祉施設・社会福祉法人太陽会「しょうぶ学園」の福森伸統括施設長を講師に招き、ノーマライゼーションの考え方などについて、講演で学んだ。講演後はパネルディスカッションもあり、奄美大島内で障がい者支援に携わる3人が登壇。それぞれの活動事例を紹介した。

 福森統括施設長は「自分らしく生きる“障がいと生きるすべての人々の可能性を信じて”」という演題で講演。施設利用者によるアート活動について紹介・解説した後、ノーマライゼーションについて講義した。

 ノーマライゼーションには、同化的―と多元的―があることを紹介。一般社会に障がい者を招き入れようと、障がい者に努力・変容を強いる同化的―を否定し、障がい者と健常者の差異を認め、一般社会が障がい者に歩み寄る多元的―のあり方を求めた。「その人はその人のままで生きれば良く、困った時にケアすべき。一般社会の人たちが障がい者に近づく社会であるべき」と語った。

 講演後にはパネルディスカッションがあり、社会福祉法人慈愛会・愛の浜園の榮野和光施設長、県立大島養護学校の山口敏親校長、㈱あまみらいの園田明代表の3人が登壇。榮野施設長は施設で利用者が取り組む陶芸について、「作業工程を細分化し、重度者も関われる作業を増やした。個々人の作品を尊重している」。山口校長は学校行事を事例として挙げ、「児童生徒の中には『自分の頑張りを見せたい』という思いや、成長する力がある。その子らしさを深め広げることが大切」と語った。

 園田代表は障がい者バスケットボールの県選抜チーム「鹿児島バルダーズ」に奄美から選ばれた選手を事例に、子どもの可能性について言及。「手伝いはしたいが何をすれば良いかをわかっていない周囲の人もいる。説明し、理解・協力をしてもらう」と困難への立ち向かい方などを話した。