「出したごみ持って帰って」

「出したごみ持って帰って」

墓参者へごみの持ち帰りを呼び掛けている看板、最近では一般ごみも混同して捨てられなどマナー向上は図られていない

奄美市「永田墓地」 墓参者ゴミ回収休止

 奄美市の市有墓地、永田墓地には約2400基(市有地のみで)ほか、民有地区間にも同数に近い墓が建っている。これまで民間業者がボランティアで、取り替えられた供花等のごみを回収したり、同市環境対策課が定期的な回収を行い、環境美化の維持を図ってきたが、両者は対応を年内までを目処に休止する。その後は墓参者のマナーとして、出したごみの持ち帰りを呼び掛け、公衆衛生の向上を図りたいとしている。

 永田墓地には、市有地以外の民有地にも約2千から3千の墓石が建っているとされ、旧盆や年末など墓参りシーズンはじめ、毎月多数の墓参者が訪れる。

 周辺には、一般ごみ用のステーションを含め、専用駐車場のある奥側と途中箇所を合わせた計3カ所に、葬祭業者により設置されたごみ回収用の大バケツが置かれている。

 同市名瀬の葬祭業者の㈱青葉社互助センターが18年前、ボランティアでごみの定期回収を始めた。毎月、旧暦の1日、15日の2回、3カ所を巡回し回収。1日で2~3回往復し、収集していた。

 関係者によると、それだけでは足りず、市でも定期的に回収してきた(1回で2㌧車が満杯になるほどのごみ)が、最近では生ごみなど一般のごみが混同して捨てられたり、分別されていない墓参ごみもあるなど、対応を止めざるを得ない状況が続いていたという。

 こうしたことも踏まえ、墓参者が本来のマナーとして、ごみを持ち帰り、環境美化維持に努めるよう呼びかけていく方針。8日、職員らが墓参者らに案内した。

 同日も午前中から、墓地には多くの人が訪れ、ある男性からは「他の地方などでは、ごみは持ち帰るのが当たり前」と回収していた状況に驚きの声も聞かれた。

 同課墓地対策室は「墓参者のマナーとして、ごみの持ち帰りをお願いしたい。今後も啓発も含め、呼び掛けを徹底したい」と話した。