農業生産軌道と世界遺産登録を

農業生産軌道と世界遺産登録を

徳之島視察の感想を語る奄美群島振興開発審議会の原口泉会長=20日午後、徳之島空港

奄振審議会原口会長、2本柱強調

 【徳之島】19、20日にかけて徳之島を視察した奄美群島振興開発審議会の原口泉会長が徳之島空港で会見。台風の被害状況やインフラ整備に見る成果や課題にふれながら「奄美の世界自然遺産への登録と農業生産を早めに軌道に乗せるこの2つが大事」とも強調した。

 原口会長(県立図書館館長)や小池利佳氏ら4委員に、国土交通省国土政策局の笹原顕雄特別地域振興官らが同行。徳之島ダムや世界自然遺産登録に関連した奄美群島国立公園、伊仙町の台風24号の高潮被害現場、各公共施設などを視察。NPO法人徳之島虹の会の活動状況なども直接聴いた。

 原口会長は「2018年度奄振法(奄美群島振興開発特別措置法)の延長の答申をしたばかりだが、今国会で可決していただくまでは情報発信を続けることが大事」。台風被害は「想像以上に甚大だった」。20年の登録を目指し再推薦される世界自然遺産登録に関し、「徳之島は野生生物保護センターとか関連施設が奄美大島ややんばる(沖縄島北部)に比べて極端に少ない。そうしたなか、虹の会が島民の意識高揚のために努力していることも詳しくうかがえた」。

 天城町防災センターは「生涯学習センターの機能と併せ行きやすい場所にあった。医療・保健センターとの一体化も含めモデルになっても良い、インフラとソフト整備がうまくかみ合った投資と思う。発展の可能性も感じた」。徳之島町農産物加工施設・美農里館も「6次産業化に取り組んでおり、運営は大変だろうが、努力によって島の新しいブランド食品が出来ると思う」と期待。

 そして「一番大きい効果は徳之島ダム。徳之島農業の未来を画期的に変えるものと思う。〝宝の持ち腐れ〟にならないよう畑地かんがいへの機運作りが重要」。「奄美の世界自然遺産への登録と農業生産を早めに軌道に乗せるこの2つが大事」とも強調した。