ケナガネズミ交通事故死多発

ケナガネズミ交通事故死多発

交通事故死したケナガネズミを回収する環境省徳之島自然保護官事務所の関係者=17日夜、天城町三京

「徳之島トンネル」付近
環境省が注意喚起

 【徳之島】17日午後8時半ごろ、「徳之島トンネル」ルートの天城町三京の町道で、国指定天然記念物ケナガネズミ1匹の死骸が見つかった。同トンネル付近は同種の交通事故死の頻発エリア。環境省徳之島保護官事務所は、夜間の減速走行など注意を呼びかけている。

 「徳之島トンネル方向」にJAあまみ徳之島家畜市場近くを走行中の徳之島町の公務員男性が、左カーブの左側車線上で見つけた。通報を受けた自然保護事務所の関係者が確認。メスの成獣で体長約25㌢、体重560㌘。頭部をひかれた状態だった。

 同島におけるケナガネズミの交通事故死の確認件数は今年4件目(昨年1年間同数)。ほとんどが「徳之島トンネル」付近に集中。ほか希少動物の交通事故件数=20日夕現在=はアマミノクロウサギが15匹(前年比7件増)と過去最多。トクノシマトゲネズミも3件(同1件増)となっている。

 沢登良馬自然保護官(28)は「ケナガネズミは奄美大島・徳之島・沖縄島の固有種で天然記念物に指定されている貴重な動物。夜行性で、普段は樹上で生活しているが、秋・冬にかけて地上に降りてエサ(椎の実など)を探すため交通事故が多発。徳之島では徳之島トンネル付近で発生している」。ドライバーに「トンネルはスピードが出やすいため、夜間の走行時は希少動物に注意を」と呼び掛けている。

 環境省は、対策として道路の往来状況の調査や普及啓発資料の作成、注意喚起の看板設置などを本年度中に行う方針だ。