奄美海洋生物研究会

サンゴ礁保全奨励賞を受賞した奄美海洋生物研究会の興会長(中)、日本サンゴ礁学会の日高道雄会長(右)、サンゴ礁保全学術委員会の山野博哉委員長(提供写真)

早期の普及啓発活動評価
日本サンゴ礁学会 保全奨励賞を受賞

 奄美海洋生物研究会(興克樹会長)がこのほど、琉球大学で開催された日本サンゴ礁学会第21回大会においてサンゴ礁保全奨励賞を受賞。同会の早期の保全活動や普及啓発活動などが理由とされ、関係者から国際サンゴ礁年での受賞を喜ぶ声などが聞かれた。

 同賞は日本サンゴ礁学会が定める賞で、2013年度に創設。環境教育・普及啓発等も含めた具体的な活動を通じて、サンゴ礁保全に貢献した学会員を表彰して贈られる賞とされている。

 同賞はこれまでに琉球列島を中心とする各地で、サンゴ礁のモニタリングや保全活動を主導するNPOなど年度ごとに1団体(ないし1個人)に授与。同研究会は奄美大島を中心に奄美群島で海洋生物のモニタリング、シンポジウムなどの運営サポート、講演会や観察会などの教育啓発活動、研究者などと連携した学術調査などの活動を行っている。

 奄美市で研究教育活動を展開している鹿児島大学国際島嶼教育研究センターの藤井琢磨特任助教が同賞の受賞候補として推薦。日本サンゴ礁保全学術委員会が、活動の独自性、継続性、波及効果、情報発信力などを評価して今回の受賞が決定した。

 大会では受賞理由として▽全国的にも早い段階からサンゴ礁保全活動や普及啓発活動を開始▽普及対象が広い、インターネットも早い段階から活用▽行政や学術研究者などと幅広い連携をとっている▽サンゴのみならず幅広い海洋生物を対象に活動している―などを例示。興会長は受賞を喜び、「これまでサンゴ礁の白化や、オニヒトデ大発生などによる大規模死滅に胸を痛めたが、そこからの回復傾向を毎年モニタリングし見守ることが大きな喜びになっている。今後もサンゴ礁保全に微力ながら地域に貢献できたら」とのコメントを寄せた。

 推薦者の藤井特任助教は、「学会が一般社団法人化されて最初の保全奨励賞。また国際サンゴ礁年での意義あるタイミングでの受賞で喜ばしく思う」とした。