喜界・荒木集落

「わらび・しまゆみた狂言附子」を演じる児童

青・壮年団が棒踊りを熱演

文化伝承祭り盛況
児童による狂言や棒踊りなど演目多彩

 喜界町の荒木集落(吉見照政区長)は25日、旧荒木小学校内で「わらび・しまゆみた狂言附子=ぶす=」ならびに第1回「伝統文化伝承祭り」を開いた。舞台では、狂言衣装に身を包んだ子どもたちがシマ口によるセリフ回しや演技を披露。また集落伝統の棒踊りや八月踊りも行われ、喜界島内外から集まった来場者でにぎわった。

 同イベントは伝統文化や地域芸能に親しんでもらおうと島内集落で実施。今回初開催の荒木集落では4月から準備を進め、この日は旧小学校の体育館、グラウンドを会場に延べ約300人が来場した。

 狂言プログラムは「附子」と「喜界島民話創作狂言『ひなた山』」。喜界島言語文化保存会(生島常範代表)を通じて来島した、京都狂言師の河田圭輔さんが出演する集落の児童6人を指導。また河田さんは、喜界島の民話「ひなた山」のセリフ中にシマ口を盛り込みアレンジ。子どもたちの真剣な表情でのシマ口セリフに会場から笑いや拍手が起こり、民話を狂言仕立てにした演出に来場者は興味深く見入った。

 そのほか校庭では青壮年団による棒踊りや八月踊り、住民グループによるシマ唄などを披露。また同集落周辺から出土した埋蔵文化財の展示も。イベント翌日(26日)は伝統行事「ウヤンコー(高祖祭)」とあって、島外から帰省者も集まり、普段は静かな集落も終日、にぎわいを見せていた。

 吉見区長は「集落内外の協力で無事終えることが出来た」と述べた上で、舞台を務めた集落の子どもたちに「4月から毎週練習を重ねてきたことは、今後の自信につながる。多くの成長が見られた」とたたえた。