大衆芸能で笑い納め

噺「禁酒番屋」を演じる東生亭世楽さん

 

真打世楽、奄美2世の竹三が上演
喜界皮切りに離島公演へ

 

 大衆芸能の面白さを知ってもらおうと、落語や曲芸を披露する寄席演芸離島公演が4日、喜界町の中央公民館旧館ホールを皮切りに、奄美群島内の各会場で開かれる。初日の「喜界寄席」では、年の瀬の笑い納めとして噺=はなし=家の東生亭世楽=せらく=さん(48)、奄美にルーツを持つ二ツ目笑福亭竹三さん(32)らが上演。第一線で活躍する演者の熱演に来場者は沸いた。

 文化庁「2018年度戦略的芸術文化創造推進事業」の一環で、4年前から日本各地を巡業。奄美は3回目だが喜界町は今回初めてという。

 真打の世楽師匠のほか、真打三笑亭可風さん、竹三さん、太神楽の鏡味よし乃さん、お囃子担当の成田みち子さんの5人が来島。竹三さんは、父が宇検村、母が瀬戸内町嘉鉄の出身で奄美2世。世楽さんは以前から、可風さんはシーカヤック目的でそれぞれ奄美を訪れるほど縁が深い。

 この日の演目は、竹三さんが「動物園」、可風さんが「真田小僧」。中入り後、よし乃さんが傘などを使った和のパフォーマンスで華やかに盛り上げ。トリを務めた世楽さんが「禁酒番屋」で締めくくり、忙しくなる製糖作業前の夜長、約80人の来場者を伝統芸能の世界で魅了した。

 観客の男性は「島で生の落語を聞く機会はめったにない。テレビやラジオで聞くよりはるかに迫力があって面白い」と話した。

 世楽師匠は「皆さんは素直で感度が非常に良い。寄席を楽しんでくれたようでうれしい」と振り返った。

 離島公演は、瀬戸内町加計呂麻島、天城町、沖永良部島を予定している。