龍南中吹奏楽部が恩返しミニコン

龍南中吹奏楽部が恩返しミニコン

新調した楽器でお礼の演奏を行った龍南中の吹奏楽部


楽器購入を支援したOBの牧主さんに感謝状が贈呈された

 

後輩の楽器購入を支援
演奏に感激、活躍願う
戸口出身の牧主さん

 

 龍郷町の龍南中学校(福水浩一校長)で4日夕、校舎エントランスで同校吹奏楽部の楽器購入を支援したOB牧主利光さん(牧主都市開発㈱会長)(72)を迎えてのミニコンサート、「牧主利光氏歓迎セレモニーありがっさまりょ~た!コンサート」が行われた。保護者や町議、住民などが、寄贈受け新調された楽器による吹奏楽部の演奏を聴き感激。牧主さんは目頭を熱くして感謝状を受け取り、後輩の今後の活躍を願った。

 同校吹奏楽部は、新元佳代顧問や永峯枝里子教諭の指導を受け練習に励み、7月下旬の第63回県吹奏楽コンクールの小編成中学Bパートで金賞を初受賞する快挙を達成していた。

 これまで古くて穴が開いている楽器にガムテープを貼ったり、安定が悪くグラグラする楽器を体で固定したり、足りない楽器は奄美市名瀬の学校などから借りて大会に出場するなどの苦労があったという。

 この話を関西龍郷会に出席した竹田泰典町長などが、同会の特別顧問の牧主さんに伝えたところ同町戸口出身でOBでもあることから、「楽器の購入を自分に支援させてもらえないか」と申し出て同校の楽器購入となった。

 9月の体育祭で購入した楽器の一部が揃いお披露目したが、今回は希望した楽器全て備わり牧主さんの歓迎コンサートを企画。同部が購入した楽器の総額は約300万円。楽器は、▽ティンパニ2台▽ドラム1式▽銅鑼=どら=▽フルート▽クラリネット▽ホルン▽ユーフォニウム▽テナーサックス―などが新調された。

 セレモニーで、竹田町長がこれまでの経緯を説明。福水校長が「音楽は人を豊かにする。牧主会長の厚意を無にすることなく、頑張っていきたい」と話した。

 この日のミニコンサートで、引退した3年生含めて24人の生徒が3曲を披露。大河ドラマ「西郷どん」のテーマ曲や、金賞受賞曲の「ガルーダの翼」などが迫力ある音量で演奏された。

 最前列で演奏を聴いていた牧主さんは、感動覚え時折涙ぐみハンカチを目に当てる場面もあった。コンサートラストは、同校の校歌を全員が起立して演奏に合わせ斉唱した。

 牧主さんは感謝状を福水校長から手渡され、「自分は龍南中の1961年卒。生徒の活躍を聞いてうれしかったが、後輩が苦労している点を何とかしたかった。演奏を生で聴いて良かった。これからは誰に気兼ねもせず、新しい楽器で練習に励んでください」「生徒たちの演奏が地域に勇気と感動を与えてくれると信じている」などと語った。

 部を代表して部長の2年野﨑凡央=なみお=さんがお礼の言葉を発表。「新しい楽器をありがとうございました。この恩を忘れずに練習して、(大会以外にも)地域の行事での演奏など頑張りたい」と話した。