タンカン農家の負担軽減

タンカン農家の負担軽減

ふるさと納税返礼品拡充に向けた「奄美せとうち地域公社」の登録説明会

瀬戸内町地域公社設立、運送や販売代行も
ふるさと納税返礼品拡充

 瀬戸内町は11日、同町古仁屋のせとうち物産館会議室で「奄美せとうち地域公社」設立に伴うふるさと納税返礼品登録説明会を開いた。町内のタンカン農家が参加し、町側から地域公社が行う農家負担の軽減として、選果場への運送や販売代行業務などを説明。農家からは、「加工品用のタンカンを買い上げできないか」などの質問があった。

 同町企画課によると、奄美の12市町村の中で同町のふるさと納税額は2015年度まで首位を維持。16年度に2位に下がり、17年度は3位だったという。

 同町は、ふるさと納税事業の返礼品拡充のため「奄美せとうち地域公社」を今月25日に設立予定。公社の全額を町が出資し、公社がタンカン農家からタンカンを買い取り、ふるさと納税返礼品や、JAや市場へ卸す仕組みを企画している。

 この日の説明会に11人の農家が出席。同課の担当者が、ふるさと納税や、公社によるタンカンの出荷や買い取りの概要などを説明した。

 担当者は公社でタンカンを扱うことにしたのは、「農家から販路がなかったり、JAが買い取らないなど苦労している声があったから」と説明。初年度の計画として、「ふるさと納税事業の取り扱い目標2㌧、400万円」とした。

 出荷から買い取りの流れは、▽公社に登録した農家が、須手倉庫に出荷▽公社が奄美大島選果場へ集荷したタンカンを運送しJAへ選果を委託▽ふるさと納税返礼品として出荷の場合、1㌔350円で買い取り▽返礼品で出荷できないタンカンはJAや市場に卸し、選果費と手数料15%を引いた額で買い上げ―などと解説。担当者は「タンカンで始めて順調なら、来年はパッションフルーツなどを計画したい」と話した。

 質疑で、「秀品、優品、良品が全部1㌔350円となるのか」や「出荷段階で選別しなければならないのか」などの質問も。担当者からは、「自分で選果や梱包、販売事務など責任持ってできる農家は、これまで通り町と契約してふるさと納税返礼品を取り扱うことができる。公社は返礼品を増やしたい考えで、実施することを理解してもらいたい」と話した。