奄美大島部会

奄美大島部会

推薦区域の修正や包括的管理計画などを協議した世界自然遺産候補地地域連絡会議の奄美大島部会

 

推薦地の分断状況修正へ
外来種対策や利用調整求める意見も
 

 環境省、林野庁、鹿児島県などは14日、奄美市住用町の住用公民館で「奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島世界自然遺産候補地地域連絡会議奄美大島部会」を開いた。IUCN(国際自然保護連合)評価書への対応や、包括的管理計画の修正などを協議。来年2月に再推薦される推薦書の内容も示され、分断されていた推薦地の修正案について出席者が了承し今後の地域連絡会議で判断される見込みとした。

 開会で県自然保護課奄美世界自然遺産登録推進室の大西千代子室長があいさつ。大西室長が議事の司会を務め協議を実施した。

 奄美大島部会に、関係者など約40人が出席。IUCN評価書への対応や包括的管理計画の修正箇所などを、環境省那覇自然環境事務所の速水香奈国立公園企画官が配布資料を基に説明した。

 推薦書の修正方針は▽登録の価値(クライテリア)を生物多様性一つに絞り記述▽構成要素の連続性を確保した推薦区域の修正▽外来種対策や観光管理などの保護管理の詳細追記▽モニタリングの基本方針を添付―などと例示。「奄美大島の推薦区域は九つに分断されていたが、一まとまりにする方向で調整中。推薦区域がむき出しになっている箇所の周囲を、緩衝地帯にできないか検討している」と話した。

 IUCNの指摘事項であった推薦区域の修正は、再推薦における境界修正案を同省奄美自然保護官事務所の千葉康人上席自然保護官が図示して解説。奄美市名瀬、同市住用町の3カ所が新たに緩衝地帯に編入され、同市住用町や瀬戸内町の5カ所が緩衝地帯から推薦地に格上げとする調整状況などが報告された。

 包括的管理計画の修正について速水国立公園企画官は、「外来種では、マングースやノネコ以外の対策も記述している。計画の対象範囲で周辺地域を周辺管理地域と変更した」と話した。

 質疑では、県が作成している外来種に関する条例や、金作原国有林や三太郎線で利用調整が取れないかという質問などがあった。

 ナイトツアーの混雑状況に対して「道路の一元管理がされないと、らちが明かないのでないか。門扉を設けるのは簡単だが、どこが管理するのか考えてもらいたい」との注文もあった。