農水省経営局長賞を受賞

「農水省経営局長賞」を受賞した㈱永吉ファームの永吉輝彦代表取締役(中央)=14日、徳之島町

 
 
「10年後目標は1千頭」
県内でも屈指の規模に成長
全国農業担い手サミットで
 
永吉ファーム(徳之島町)

 

 【徳之島】2018年度「全国農業担い手サミットinやまがた」(先月8日、山形市で開催)の全国優良経営体表彰「生産技術革新部門」で、鹿児島県代表の㈱永吉ファーム(徳之島町亀津、永吉輝彦代表取締役)が「農林水産省経営局長賞」を受賞した。奄美群島最大の肉用牛生産法人(372頭)。14日、徳之島町役場で伝達式があり、永吉さん(50)は「あと10年で1千頭を目指す」と抱負を語った。

 同サミットは一般社団法人全国農業会議所が主催。98年度から各県持ち回りで開催。全国の意欲ある農業担い手が一堂に会し、交流や情報交換を通じ、自らの経営改善や地域農業・農村の発展につなげるのが目的。

 ㈱永吉ファームは徳之島町が県徳之島事務所農業普及課を通じ推薦、経営革新部門の県代表に抜てき。1989(平成元)年に生産牛8頭で経営を開始後、農業制度資金、公共事業などを活用しながら計画的に規模拡大を図り、3年前の15年度に法人化。生産牛の現飼養頭数は311頭と奄美群島最大、県内でも屈指の規模に成長させた。

 技術革新面では、作業効率化のため「子牛人工哺(ほ)育技術」や「子牛スタンチョン」、「子牛哺乳ロボット」など先端技術を積極的に導入。牛の行動管理システムの導入など常に最先端のICT(情報通信)技術を活用するなど、優れた経営感覚で常に地域の先導的役割を果たしている。

 高岡秀規町長から賞の伝達を受けた永吉さんは「内閣総理大臣賞を目指したが、2位(次席)を重く受け止めている。いずれは農水大臣賞を取れる会社に仕立てて地域に貢献し、和牛を通じ日本の食料生産の担い手に」。そして「あと10年で1千頭規模を目指していきたい」と抱負を語った。

 高岡町長は「徳之島の畜産農業を引っ張っている成功事例。町も畜産ナンバーワンを目指したい。全国和牛能力共進会鹿児島大会(22年10月ごろ)では全国1位を。今後も若い人の手本となって、地域の経済を引っ張っていく会社に育って」とエールを送った。