リュウキュウアユの産卵撮影

リュウキュウアユの産卵撮影

奄美市住用町の川内川中流で観察されたリュウキュウアユの産卵(提供写真)

興さん 多くの稚魚の遡上期待

 奄美海洋生物研究会の興克樹さんは17日、奄美市住用町川内川で絶滅危惧種のリュウキュウアユの産卵撮影に成功したと発表した。興さんは、来年多くの稚魚が産卵場所に戻ってくることを期待している。

 リュウキュウアユは奄美大島と沖縄本島の固有種。沖縄では絶滅していることから、奄美大島のリュウキュウアユを放流して復元に取り組んでいる。

 興さんによると、同町住用川中流ではリュウキュウアユの産卵がピークを迎えているとし、今月上旬から観察を開始。産卵場所は流速が早い瀬で、数百匹の同魚が集結。日没前後に複数の雄が雌個体を追尾し、雄が雌を挟み込むように砂利の中に潜り込み産卵・放精が行われていたという。

 撮影に成功したのは、13日の日没時の午後5時半ごろ。興さんは「産卵のピークは先週。14日以降は集結するアユの数や産卵数も減少していった」と振り返った。

 興さんは「繁殖を終えるとほとんどの個体は死んでしまう。来春には多くの稚魚が遡上してくることを期待する」と語った。