クロウサギ輪禍3件続発

クロウサギ輪禍3件続発

徳之島町林道「山クビリ線」でもクロウサギ輪禍が続発(円内27日夜)。早速、交通事故防止の緊急告知看板を設置(28日)=提供写真

2件は「山クビリ線」に衝撃
徳之島 過去最多を倍増

 【徳之島】徳之島町北部の林道「山クビリ線」と県道で、24日夜―27日同にかけたわずか3日間に、アマミノクロウサギ3匹もの交通事故死骸が相次ぎ見つかった。うち2件は世界自然遺産登録への再推薦予定地の一部を走る山クビリ線上という異例の事態。さらには同島全体で今年19件目と過去最多(8件タイ)を倍増更新。関係者に二重の衝撃が走った。

 いずれも環境省徳之島自然保護官事務所(天城町役場内)が確認して回収し。▽1件目は24日午後8時ごろ、徳之島町金見地内の県道路上で通行人が発見(政武文・徳之島地区自然保護協議会長が確認)▽2、3件(匹)は27日午後9時―10時ごろにかけて「山クビリ線」を巡視中の県希少動植物保護推進員(53)が、同町山寄りの路上で1匹目(死後数時間)、轟木側で2匹目(同数日経過)を相次ぎ発見した。

 3匹とも成獣で口や鼻からの出血、腹部など内出血、脱きゅうといった交通事故独特の傷を負っていたという。

 環境省同事務所によると、クロウサギ交通事故死の今年の確認件数はこれで計19件(匹)目。過去最多タイの2016年、17年中の各8件を倍以上更新。さらには、奄美群島国立公園の特別地域、世界自然遺産登録再推薦への推薦地・緩衝地帯をぬう「山クビリ線」上での異例の続発は、関係者に大きな衝撃を与えている。

 同省同事務所の沢登良馬自然保護官(28)は山クビリ線については「関係機関と適正な利用調整に向けて協議。ロードキル(交通事故死)防止や生息環境の保全に、来年度からの(進入口)ゲート施錠を目指す最中にあり残念。関係機関や住民と連携して利用適正化を進めたい」。

 徳之島地区自然保護協の政会長(66)は交通事故死多発の背景に「ネコ対策が奏功。クロウサギの行動範囲も広がり、(金見地区海岸沿いの県道など)まさかと思われていた道路にも出ている」。山クビリ線については「正月帰省客を含め、クロウサギなど観察目的の入山が増えて事故が多発することも懸念される」。同会は28日午後、両進入ゲートに「緊急告知」の啓発看板を追加設置した。