老朽化した鳥居塗装改修

寄贈後、約40年経った鳥居の塗装改修が行われた、名瀬小湊厳島神社

名瀬小湊の厳島神社
十五童子弁財天像安置

 奄美市名瀬小湊にある、厳島神社は、市指定文化財「木造りの十五童子弁財天像」をご神体とし、安産祈願する参拝者などにも親しまれている神社。このほど、老朽化していた鳥居の塗装改修が行われた。地元も「氏神として、住民を見守ってくれている。これからも大切に後世へ継承していきたい」と喜んでいる。

 関係資料によると、当初観音寺だった同神社は、明治初期の廃仏棄釈で廃止となり、その後現在の厳島神社となったとされる。

 神社のご神体は、寛政3年(1791年)に、恒雲が木彫りし寄進した座像(十五童子像)。市の文化財にも指定されている。集落では、お参りすると子宝に恵まれると言い伝えられてきた。

 鳥居は1979年(昭和54年)に、地元建設業者が寄贈。経年劣化による老朽化が見られていたなか、島外在住の出身者による改修提案をきっかけに、町内会総会で住民らの賛同を取り改修。11月中ごろに完了した。

 同神社には安産祈願で訪れる参拝者のほか、地元の奄美看護福祉専門学校学生らが国家資格合格祈願で参拝するなど、広く親しまれてきた。

 小湊集落の元区長で、高山好和さん(77)は「地元を大切に思っている出身者の提案がありがたかった。地元の心の拠り所にもなっている。大切に継承していきたい。観光にもつながれば」と話した。