子どもの成長願い「ナンカンジョセ」

晴れ着を着て両親と祖父母の家を訪問し「ナンカンジョセ」を受け取る楓子ちゃん

親戚宅巡り祝福受ける

 無病息災を願う「七草の節句」だった7日、奄美では数え年7歳の子どもが親戚宅を回り、ナンカンジョセ(七草粥)をもらって回る風習が残っていて、子どもの成長を祝う光景が見られた。

 龍郷町大勝の里園正登志さん、育乃さん夫妻の長女、楓子=ふうこ=ちゃん(5)は、晴れ着を着て記念写真の撮影を終えて、両親と共に育乃さんの実家を訪問。育乃さんの母、再田多鶴代さん(72)から七草粥とお祝いがお盆で手渡された。

 楓子ちゃんは七草粥を受け取り、多鶴代さんにお辞儀をして感謝。多鶴代さんは楓子ちゃんと散歩の傍ら、花や昆虫の名前を教えており、それで楓子ちゃんも自然に興味を持つようになったという。

 また絵を描くことが好きで、多鶴代さんがストーリーを考えた絵本を一緒に作成。楓子ちゃんは「お遊戯会では、ダンスに夢中になった。今年は縄跳びを頑張りたい」と話した。

 多鶴代さんは「健康で心優しい子に成長してもらいたい。そういう願いを込めて七草粥を作った」と感慨深く語った。

 正登志さんと共に楓子ちゃんを見守っていた育乃さんは「七草粥をもらう日を迎えて安心した。明るくのびのびと成長してもらいたい」と感想を話した。