ノネコ捕獲作業を拡充

効率的・効果的実施目的に 環境省・ねこ対策協
センター収容数1匹、安楽死処分なし

 環境省と奄美大島ねこ対策協議会(事務局・奄美市環境対策課内)は8日、昨年7月から実施するノネコの捕獲作業を拡充したことを公表した。変更後の7日からは作業員、かごわなや、モニタリングカメラの設置数を増強し、これまで週5日だった作業日を週5~7日に増した。また、従来1カ所ずつ行っていた作業を2カ所に広げ、効率的・効果的な作業実施を目指すとしている。

 捕獲作業は「奄美大島における生態系保全のためのノネコ管理計画」に基づき、昨年7月17日に開始。これまでは16平方㌔㍍の範囲にかごわな150~170基を設置し、作業員3人で対応してきた。2週間わなを稼働させた後、1週間のモニタリング(観察)期間を設け、カメラ45台で区域内のノネコの有無を調査。その後再び、わなによる捕獲作業実施という手順を繰り返してきた。

 変更後は作業エリアを2区域(いずれも16平方㌔㍍)に増やし、それぞれ2人の計4人の作業員を配置。モニタリングについては3週間の作業後に1週間実施。作業日の増加も行い、かごわなの稼働日数を伸ばした。1区域あたりのわな数は100基ずつ、モニタリングカメラ数は25台ずつに変更される。

 環境省は「半年間の捕獲状況を見ての変更。密度を減らし浅く調査・捕獲作業することで、今の作業エリアでノネコが減っている要因も調べる」としている。ただし、新年度以降も同様の体制で捕獲作業にあたるとは限らないという。

 捕獲実績は作業開始の7月以降、▽7月2匹▽8月11匹▽9月3匹▽10月4匹▽11月2匹▽12月1匹▽1月(7日まで)0匹―の計23匹。うち22匹が譲渡された。捕獲したノネコを収容する奄美ノネコセンターへの収容数(7日現在)は1匹で、安楽死処分は行われていない。

 同協議会事務局はこれまでに、ノネコ譲渡対象者として5団体・1個人を認定。申請は団体・個人あわせて10件だった。申請団体・個人数の伸び悩みについて、「島外から奄美大島に来ることが難しいからか。また、申請時に所得証明や家の間取りなどを提出しなければならないことに抵抗があるという意見も聞く」。同協議会は申請条件の緩和などは検討していないが、今後も広報誌やSNSなどで周知の徹底を図るとしている。