JAタンカン果実分析結果

JAタンカン果実分析結果

2月からの収穫を前にタンカン果実の品質分析が行われた

平均糖度10度超、酸は1・2%台
収穫期 下場2月上旬、上場中旬から

 JAあまみ大島事業本部は18日、2018年度産タンカンの品質調査となる果実分析を行った。奄美大島の市町村から94点の持ち込みがあり、分析の結果、平均糖度10・1度、クエン酸1・21%となった。既に糖度は10度を超えており、1%台を切る酸切れが進めば、さらに糖度の上昇が期待できそう。

 会場となった奄美大島選果場に持ち込まれた果実の市町村(地区)別は、奄美市の名瀬地区20点、住用地区18点、笠利地区2点、大和村26点、宇検村16点、瀬戸内町8点、龍郷町4点。栽培面積の大きい農家からは複数の持ち込みがあったものの、百点を超える例年に比べると数は少ない。昨年の台風被害でタンカンも生産量の減少が懸念されており、市町村担当者によると落果などで3~4割の減収が予想されるところもあるという。

 分析結果の市町村(地区)別は、名瀬=糖10・7度、酸1・36%▽住用=糖10・4度、酸1・14%▽笠利=糖10・8度、酸1・02%▽大和村=糖11・3度、酸1・29%▽宇検村=糖11・3度、酸1・1%▽瀬戸内町=糖10・5度、酸1・05%▽龍郷町=糖11・1度、酸1・18%。糖度が11度を超えているところ、酸切れが早いところもある。10度に達していないところはなく、糖度に関しては順調な仕上がりと言えそう。

 大島事業本部経済課は「笠利、龍郷、宇検、瀬戸内の下場(平場)にある果樹園は、果実の酸切れも早いことから、2月上旬には収穫可能で、10日ごろまでには終了してほしい。一方、名瀬の本茶地区、大和村の福元地区といった上場(山間部)にある果樹園は、まだ酸が残っており、2月中旬以降の収穫を」と呼び掛ける。

 栽培されている園地によって品質のばらつきがあるだけに、収穫にあたっては食味により中身の仕上がり具合を確認し、糖と酸のバランスのよいタンカン本来の特性が表れている果実の収穫が求められそう。また、外観も紅のりなど着色状態の判断が収穫には欠かせない。こうした品質は、高性能光センサー式の選果システムが採用されている奄美大島選果場を利用することで保証され、品質の良いタンカンの流通につながる。

 なお、大島事業本部・生産部会連絡協議会果樹部会は、タンカンの販売対策協議会を21~23日まで開催。2月1日には奄美市住用町で、「奄美たんかん」収穫開始を告げるハサミ入れ式を計画している。

 販売対策協議会の日程は次の通り。
21日=午前10時から宇検村・結の館、午後1時半からJA瀬戸内支所2階▽22日=午前10時から龍郷町役場第一会議室、午後1時半から奄美市農業研究センター大会議室▽23日=午前10時から大和村役場第一会議室