ザトウクジラ来遊シーズン

ザトウクジラ来遊シーズン

奄美大島近海でザトウクジラの来遊シーズンを迎えている。尾びれを見せ、潜水を始めるザトウクジラ

53群85頭出現を確認
ツアー客迫力に満足

ザトウクジラの来遊シーズンを迎えた。奄美クジラ・イルカ協会(10事業者)はツアーと合わせて、奄美大島近海でザトウクジラの出現調査を行っている。19日、ツアーも兼ねた調査を実施し、同市笠利沖海域では2頭のザトウクジラが出現した。昨年12月から同日までに、53群85頭の出現を確認。今月から、ホエールウォッチングのシーズンに入り、多くのツアー客を楽しませてくれそうだ

冬季、奄美大島近海には、繁殖や子育てのためザトウクジラが来遊する。今シーズンは、先月1日から陸上からの調査を開始。現在までの傾向としては、例年より早い段階で、親子の出現が確認されているという。昨年シーズンのザトウクジラ出現確認数は、699頭だった。

19日ウォッチングツアーがあり、観光客約20人も参加。同市名瀬小湊港を出港し、1時間ほど進んだ同市の笠利沖合にザトウクジラが出現した。ツアー客らはブロー(潮吹き)や潜水するまでの一連の行動を食い入るように観察。その後も数回に渡り、ブローや潜水行動が確認された。

関西から初めて来島し、参加した田口美佳さん(26)は「ブリ―チング(大きなジャンプ)が見られて感動」と満足した様子。一緒に来島した、坂梨太規さん(32)も「クジラ好きだったので参加。大迫力の動きを見られてうれしかった」と笑顔で話した。

同協会の興克樹会長(47)は「6頭ほどの親子を確認したが、例年より早い」と今シーズンの傾向について分析。同日までに、ザトウクジラ計85頭の出現が確認されている。

また、ツアーについても「例年参加者が増えている。今シーズンも2500~3000人の参加を見込む。出現したら良いが、出ない場合にどうするかも考え、事業者で連携して満足度をさらに上げられよう取り組みたい」と話した。