「手々の里」の魅力アピール

実業団陸上の合宿団に「手々の里」を案内する手々小中の「われんきゃガイド」たち=21日、徳之島町手々

徳之島町 手々小中「われんきゃガイド」
実業団合宿陣、ほっこり

 【徳之島】「手と手をつなぐ、やすらぎの手々へようこそ」―。徳之島町立手々小中学校(平嶺寛晶校長)の児童生徒ら「われんきゃガイド」による手々歩きが21日午前、天城町で冬期合宿中の実業団陸上部の選手・スタッフらをゲストにあった。郷土学習の成果を発揮して「手々の里」の魅力を懸命にアピールし、強化練習に明け暮れている一行を和ませていた。

 手々小中は、背に天城岳麓の照葉樹林、眼前には東シナ海が広がる徳之島北端の極小規模校。現在籍者は、山海留学生1人を含め小学1年~中学3年生まで各学年1人ずつ計9人。「われんきゃ(子どもたち)ガイド」は、世界自然遺産登録への一環で、町の環境保全促進助成事業(われんきゃガイド養成講座)で2016年度から取り組んでいる。

 地域住民も先生役に総合的な学習の時間などを活用し、手々集落の歴史などを学習。その成果は年2回、スポーツ合宿やトライアスロン大会選手らに発信している。

 6回目のガイド「手々歩き」には、合宿中の日本実業団連合冬期女子長距強化合宿(計10チーム)や単独合宿中のホクレン、K‐wat(韓国)などの選手・スタッフら計17人が希望参加した。

 歓迎のあいさつや伝統芸能「ムチタボリ」の歌踊りの披露を受けて学校を出発。「殿地(とのち)のソテツ」やアジ(按司)墓、手々海浜公園、「掟大八目(おきておおはちめ)の力石」、学校の長い滑り台―などを徒歩で探索、解説しながら和やかに交流した。

 実業団連合の加藤啓太さん(23)=エディオン女子陸上競技部のランニングコーチ=は「ソテツやアジ墓のことなど自然・歴史・文化を詳しく調べて教えていただき、子どもたちの一生懸命さも非常によく伝わってきた。ほめてあげたい」とにっこり。

 東京都内から昨年4月に留学した5年生の金井孝太君(11)は「豊かな自然の魅力も伝えたかった。家で飼われるウサギとかは灰色だったりするけど、ここのクロウサギは真っ黒。ウメガメが暮らす海を含め、この自然を大切に守りたい」。手々海浜公園ではクジラについての説明も担当した。

 平嶺校長は同ガイド活動について「子どもたちにコミュニケーション能力と積極性が身についてきた。ほとんどが高校卒業後、島を離れるが、地元の歴史や文化を知ることは郷土愛につながる」と話した。