「ヒシクイ」飛来

奄美大島に飛来している「ヒシクイ」=宇検村で西康範さん撮影=

草ついばむ様子撮影

 国指定天然記念物の「ヒシクイ」が奄美大島に飛来している。宇検村の集落内で西康範さんが撮影した。草地で盛んに草をついばんでいる様子が微笑ましい。

 NPO法人奄美野鳥の会によると、体全体が暗褐色の大型(全長78~100㌢)のガン。くちばしは太く黒色で、先端近くが黄色。足はオレンジ色をしている。ユーラシア大陸北部で繁殖し、日本を含む東アジアや中央アジア、ヨーロッパなどで越冬する。迷鳥として奄美に渡来するのは、ほとんどが亜種オオヒシクイで、越冬した記録もあるという。

 同会の鳥飼久裕会長は「このところ毎年、冬場(11~2月)に奄美に来ており、1羽から数羽確認されている。内海付近など穏やかな水辺や水田などで休んでいる姿が見られる」と語り、観察にあたっては▽あまり近づかない▽驚かさない―よう呼び掛けている。そっと見守ることで迷鳥の“滞在”が続きそうだ。