引退里山が市長表敬

引退里山が市長表敬

妻、後援会関係者と市長表敬した里山(前列右端)

「最後の化粧回しを披露したい」
9月に引退・襲名披露相撲

 大相撲の幕内力士(最高番付前頭十二枚目)として活躍し、昨年の九州場所で引退した奄美市笠利町出身の里山(37)=本名・里山浩作、尾上部屋=が29日、同市役所を訪れ、朝山毅市長を表敬した。9月28日、東京・両国国技館での引退・親方襲名披露大相撲開催を伝え、「多くのファンに最後の化粧まわし姿を見てもらい、恩返ししたい」と14年余りの現役生活を終え、感無量の表情を見せた。

 すでに同部屋付きの親方「佐ノ山」を襲名、後進の指導に当たっている里山。日本相撲協会の指導普及部・社会貢献部に所属し、弟子の稽古と合わせ多忙な日々を送っている。

 この日は妻・美菜さん(36)、地元の後援会関係者とともに表敬。奄美大島後援会会長を務める朝山市長に引退報告、引退相撲での断髪式出席を依頼した。

 朝山市長は里山の現役引退を労い、「子どもたちに夢と希望、群島民に感動を与えてくれた功績は大きい。長い間お疲れさまでした」と述べ、出席を快諾。後進の育成など、これからの活躍にあらためてエールを送った。

 「勝ちにこだわった相撲人生だった」

 引退理由について集まった報道陣に、長年けがが重なり、自分の相撲が取れなくなったことを初めて明かした。九州場所前に引退を決意。西幕下9枚目での出場は3連敗からの4連勝で勝ち越し、自身の花道を飾った。

 里山は「勝ち越しを決めた最後の一番は会心の相撲。『まだやれるかも』と少し頭をよぎった」と振り返り、「髷=まげ=も結っているし、(引退した)実感はわかないです」と清清しい笑みを浮かべた。

 今後については、部屋から関取の輩出を挙げたほか、奄美合宿の実現など地元と接点を持ち、相撲普及に尽くしていく考えだ。

 襲名披露大相撲のチケットは販売中。問い合わせは電話090―9975―0928(実行委員会)まで。