映画「神の唄」制作発表

映画「神の唄」制作発表

制作発表に臨んだ左から常田圭一さん、朝崎郁恵さん、渡辺真也さん

「シマ唄を世界に発信」
唄者の朝崎さんも出演

 【東京】「シマ唄を世界に発信する応援をお願いしたい!」――。映画「神の唄」製作委員会はこのほど、東京都文京区後楽にある一般社団法人・結いの島東京本部で、映画「神の唄」の制作発表を行った。会見には、監督を務める渡辺真也さんらが出席、奄美やシマ唄に対する熱い思いや映画の制作に当たった経緯などを説明するとともに、シマ唄を世界各地に広めるための協力を呼び掛けていた。

 出席したのは、渡辺さんのほか、プロデューサーの常田圭一さん、シマ唄の第一人者で唄者の朝崎郁恵さんの3人。映画「神の唄」は、異なった時代を舞台に生を受けたヒロインが登場。実はそのヒロインたちは、一つの魂が輪廻して現れたものであり、その悲劇のヒロインたちの言葉を、ノロを演じる朝崎さんが自らの口を通して物語っていくというもの。全4章から成り立ち、合わせると約2時間になる。

 昨年3月に第1章「奄美世」の撮影が行われ、同8月には龍郷町りゅうゆう館、東京の品川プリンスで行われた奄美フェスでも披露された。第2章以下の続編を今年中に撮影し、来年の3月に試写会、同年中での劇場公開を予定している。

 渡辺さんは、3年ほど前に、教師として赴いていたドイツ・ベルリンで朝崎さんのシマ唄「おぼくり」を聴いて、涙があふれて止まらなくなったことをきっかけにシマ唄と出会い、奄美を訪ね、やがて映画に関わることとなった。「〝シマ唄は世界が涙する芸術だ〟を合言葉に、オール奄美キャストで世界に伝えていきたい」と熱く語った。

 また、常田さんも「シマ唄にこそ、奄美の歴史があると言えます。シマ唄が伝えてきた民族の生きた証をドラマ化した魅力的な作品を届けられる」と期待を込めた。

 一方、朝崎さんは、「島を離れて知る島の良さ、シマ唄の素晴らしさを実感しております。口伝で脈々と受け継がれてきたシマ唄を映像として残していくため、先祖が残した宝物を若い人に伝えるため、協力していきたい」。そう意気込みを口にした。

 映画は、製作委員会が発足しているが、さらにサポートする「映画『神の唄』応援団」が立ち上がり、個人(2千円から)や広告(2万円から)を通じての応援を募集している。

 問い合わせ先は、〒894―0026鹿児島県奄美市名瀬港町6―26―1階 一般社団法人結いの島大島支部電話0997―58―8170、FAX0997―58―8171。同法人代表理事の井藤守仁さんは、「映画に各国の字幕を入れ、世界に各地にシマ唄が広がっていってほしい」と熱いエールを送っている。