学校名物の「サタグンマ」31年ぶり更新

学校名物の「サタグンマ」を約31年ぶり更新。人力で回しての黒砂糖づくり体験=25日、伊仙町喜念小

伊仙町喜念小、黒糖作り体験

 【徳之島】伊仙町立喜念小学校(今村浩幸校長、児童数25人)で8日午前、伝統の黒砂糖作り体験学習があった。学校創立100周年記念事業で復元、常設展示され約31年の同校名物「サタグンマ」(砂糖車)の骨格を更新。児童たちは人力でサタグンマ回しにも挑戦しつつ、先人の知恵と労苦に思いをはせながら伝統産業を学んだ。

 サタグンマは1955(昭和30)年代ごろまで黒糖産業を支えたサトウキビ圧搾機。喜念小では校区民が寄贈した同圧搾機とセットで小さな「サタヤドリ」(黒糖たき小屋)も復元。毎年、学校園で栽培したキビも原料に、黒糖作り体験学習に活用している。

 だが約31年を経てサタグンマ本体の骨格(杉材製)が劣化。そのため喜念集落(森きみ子区長)が町の今年度「がんばる集落支援事業」に申請して協力。卒業生の建設業・清水実さん(62)が骨格の製作・更新を受託し、費用の一部も負担して、耐久性に富んだ外材「セランガンバツ」で仕上げていた。

 体験学習には保護者たちも参加。今村校長が、島の経済を支えてきた基幹作物サトウキビや黒糖づくりなどについて講話。学校園で児童たちが育て収穫した分と各家庭から持参した計約500㌔のキビ汁を保護者たちの協力も得て大なべで煮沸。そのかたわらでは、サタグンマの回転棒を、児童たちが息を切らせて手押しで回転させる経験も。

 児童の仲島朱莉さん(5年生)は「なべでたいて、でき上った黒砂糖をみんなで食べるのが毎年楽しみ。にがい時もあるけどおいしい。これからもキビを守り、黒砂糖の良さもみんなに知って欲しい」と話していた。