徳之島町「山クビリ線」 狩猟者と情報共有を

徳之島町林道「山クビリ線」利用の適正化を検討して連絡会=8日、同町役場

7月施錠へスケジュール合意
徳之島利用適正化連絡会議

 【徳之島】世界自然遺産登録と観光客増を見据え、自然環境の保全と質の高い自然体験の提供などを協議する2018年度第2回徳之島利用適正化連絡会議(県主催)が8日、徳之島町役場であった。7月から施錠管理する同町北部の林道「山クビリ線」(約12㌔)の利用ルール案や町条例化方針などスケジュールに合意。エコーツアーガイド入山時の狩猟関係者との情報共有の求めもあった。

 関係機関・団体や林道「山クビリ線」の関係集落代表ら約30人が出席。今年度第1回連絡会(7月)では同林道管理者(同町農林水産課)によるゲート施錠、利用ルール素案・試行実施など合意していた。県自然保護課の栗栖隆典主幹は、世界自然遺産登録への再推薦に次ぐ世界自然保護連合(IUCN)による現地調査などプロセス・課題の一つに「計画的な観光管理も」とスケジュール案などの検討を要請した。

 「山クビリ線利用適正化」スケジュールでは、▽4月1日~6月30日を試行期間とし、認定ガイドの利用ルールを試行実施して改善点を探る▽7月1日から本格実施し、門扉に施錠(許可車両以外は通行不可)。認定ガイドなど利用者(許可対象者)は申請手続きし、ルールに則って利用▽林道入口に注意書き掲示、町広報など広報・周知などを実施する。

 環境省(徳之島自然保護官事務所)側は、山クビリ線では昨年12月27日夜だけでアマミノクロウサギ2匹の交通事故死が相次ぎ、島内では18年度(1月末現在)で計20匹と過去最多に倍増したことを報告。徳之島エコツアーガイド連絡協議会側はガイドライン案を紹介した。

 質疑で、同町猟友会側は「(山クビリ線近隣の森林は)イノシシの通り道になっている。ガイド入山時は狩猟者との情報共有が必要」と指摘、入口への表示方法なども検討することに。松枯れ倒木被害防止や林道の安全対策に関しては「保険加入させるから大丈夫という問題ではない」と強化を求める意見も。

 林野庁・徳之島森林事務所は席上、徳之島町大原の通称「電波塔入口」の町道に、希少野生植物の盗採防止のためのゲート(無施錠)と監視カメラの設置する方針を提示。エコツアーガイド連絡協側は「施錠」も求めたが、眺望を楽しむ一般利用も多い公道でもある観点から「施錠」に反対する意見もあった。