芭蕉布作りの工程見学

ウーハギ作業を体験する生徒ら=知名町=

沖永良部芭蕉布工房
田皆中3年生14人

 【沖永良部】知名町立田皆中学校(村山英哲校長、生徒数45人)の3年生14人が7日、知名町下城の沖永良部芭蕉布工房で芭蕉布作りの工程を体験した。生徒らは、芭蕉の木から繊維をはぎ取る「ウーハギ」や、繊維から糸を取る「ウービキ」の作業に汗を流し、最後に自分たちで取った糸を使いミサンガを作った。

 総合的な学習の一環。この日は、新納酒造(知名町田皆)で黒糖焼酎の作り方を学んだ後、芭蕉布工房を訪れた。

 現在工房では、栽培した糸芭蕉の木を刈り取り、その繊維から芭蕉布を作るための糸を取り出す作業の最中で、生徒たちも一連の工程を体験した。

 ウーハギの作業では、工房の長谷川千代子代表らが「上に引っ張るようにすると、きれいに取れる」「芭蕉の木は内側になるにつれて上質の糸が取れる」などとアドバイス。生徒らは、長谷川さんがはぎ取った繊維を触って、薄さや幅を確認しながら作業を行った。

 田邊寛さん(15)は「芭蕉布のことは知っていたが、工房に来るのも、作業を体験するのも初めて。作業は難しかったが、長谷川さんが楽しく教えてくれた。世界でも有名な伝統工芸になってほしい」と話した。 

 長谷川さんは「子ども達が島を出ていっても、沖永良部には芭蕉という素晴らしい資源があることを知っていてほしい」と語った。