大和村国直集落でローカルルールづくり

住民らを前にローカルルールづくりを提案する東大生たち

観光と生活両立に活性化策
フィールドワークの東大生提案

 大和村の国直集落でフィールドワークを続けてきた東京大学の学生たちは10日、同集落公民館で活動報告発表会を開き、集落の観光振興と住民生活を両立させる活性化策を発表した。テーマは「国直集落のローカルルールについて」。学生たちは、集落での研究調査を踏まえて「住民満足を通じて観光発展する」具体案を披露した。

 取り組んだのは、同大学院総合文化研究科1年・安田光穂さんと同大医学部医学科4年・松井丈迪さん。同大学生が社会的課題に挑む「フィールドスタディ型政策協働プログラム」を活用し、県が協力。NPO法人TAMASU(中村修代表)が受け入れ、協働した。

 2人は昨年7月ごろから集落を訪れ、聞き取りやワークショップなどを通して住民と意見を交換。観光客によるごみ増加や騒音などが以前から問題となり、条例では業者に制限も加わることから、集落独自に運用できる「ローカルルール」に的を絞り、学生目線でアイデアを練ってきた。

 2人は集まった住民を前に、集落の現状を鑑み「生活を重視した観光生活が望ましい」と説明。ローカルのメリットとしては「集落単位にすることで、みんなの意向をよりよく反映できる」との考えを披露した。

 安田さんは「結びつきの強い集落だからこそ実行できる策」。松井さんは「地域の在り方、将来像を具体的に描ける」と指摘。「先進的なローカルルールモデルとして国直集落から始めたい」と提案し、実行を後押しした。

 発表を見守った県大島支庁総務企画部・柊山卓也主幹兼地域振興係長は「参考になった。国直は先をいっているイメージ。(アイデアは)鹿児島にも広げたい」と評価した。

 今後は、住民にパブリックコメント募り、賛成多数を得た上で集落にルールを提言。村上恵子区長は「国直はみんなで取り組もうという気質の高い集落。(提言の際は)住民に諮りたい」と約束した。